2022年9月25日日曜日

191長亭怨慢(姜夔)

長亭怨慢  姜夔

予頗喜自制曲、初率意為長短句、然後協以律、故前後闋多不同。桓大司馬云、昔年種柳、依依漢南、今看揺落、淒愴江潭、樹猶如此、人何以堪。此語予深愛之。

1漸吹尽・枝頭香絮、是処人家、緑深門戸。
2遠浦縈回、暮帆零乱向何許。
3閲人多矣、誰得似長亭樹。
4樹若有情時、不会得青青如此。

5日暮、望高城不見、只見乱山無数。
6韋郎去也、怎忘得玉環分付。
7第一是早早帰来、怕紅萼無人為主。
8算空有并刀、難剪離愁千縷。

私は自分で曲を作るのがとても好きで、初め思いのままに長短の句を作り、そののちに律で調える、そのため前後の闋がそろわないことが多い。桓大司馬は云った、「昔、柳を植えて、漢南を思った。今は散り落ちて、寂しげな河辺が見える。樹でさえこの有り様だ、人はどうして堪えられようか」と。この言葉を、私は深く愛している。

1しだいに吹き尽くされる梢の柳のわた、ここはあの人の家、緑の奥に扉。
2遠く浦をめぐって、暮れの帆がちりぢりにどこに向かっているのやら。
3多くの人を見てきた、誰が駅の柳にかなうだろう。
4樹にもし情が有るならば、これほどまで青青としてはいられまいに。

5日が暮れ、街を望むが見えない、ただ無数の山々だけが見える。
6韋さんは行ってしまった、どうして玉環の別れを忘れられようか。
7ともかくも早く早く帰って来てください、赤い花に主となる人がないのが怖いから。
8きっと并州の刀が有ってもむなしく、千々の別れの愁いを断ち切るのは難しいだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0「桓大司馬」七句:桓温が柳を植えた故事。辛棄疾174「水龍吟」の「樹猶如此」の注、参照。引用されているこの文は庾信「枯樹賦」にあるもので、白石は桓温の言葉としている。 5望高城不見:唐の欧陽詹「贈太原妓」詩に「駆馬漸覚遠、回頭長路塵。高城已不見、況復城中人(馬を駆り漸に遠のくを覚ゆ、頭を回らせれば長路の塵。高城 已に見えず、況んや復た城中の人)」とある。 6韋郎・玉環:『雲渓友議』に見える故事。唐代の韋皋が江夏に遊び、青衣(下女)の玉簫と情を交わし、別れる時に玉の指輪を残し、少なくとも五年、長くて七年のうちに娶ると約束したが、八年たっても戻らなかったので玉簫は絶食して死んだ。のちに韋皋は歌姫を得たが、玉簫に酷似していて、中指には玉の指輪が食い込んでいた。 8并刀:并州(今の山西太原)の剪刀、鋭利なことで有名。

(わたし)(とて)(じぶん)で曲を(つく)るのが()きで、初め率意(おもいのまま)に長短の句を(つく)り、然後(それから)(ととのえ)るのに律を(もち)いる、(そのため)に前後の闋が不同(そろわな)いことが多い。

桓大司馬は云った、「昔年(むかし)、柳を()えて、漢南を依依(おも)った、今見えるのは揺落(ちりお)ちて、淒愴(さびし)げな江潭(かわべ)、樹で()()(よう)、人は(どうし)(これ)(たえ)れようか」と。

()(ことば)は、(わたし)は深く(これ)を愛している。

 

(しだい)に吹き尽くされる枝頭(こずえ)香絮(やなぎのわた)是処(ここ)(あのひと)の家、緑の(おく)門戸(とびら)

2遠く浦を縈回(めぐ)って、暮れの零乱(ちりぢり)何許(どこ)に向かうやら。

多くの人を()てき()、誰が長亭(えき)(やなぎ)得似(かな)うだろう。

4樹に()し情が有る時は、如此(これほど)まで青青としては会得(いられま)い。

 

5日が暮れ、高城(まち)を望むが不見(みえな)い、只だ無数の乱山(やまやま)だけが見える。

6韋(さん)去也(いってしま)った、(どう)して玉環の分付(わかれ)忘得(わすれら)れようか。

第一是(ともかく)も早く早く帰って来て、(あか)(はな)に主と()る人が無いのが(こわ)いから。

(きっ)と并刀が有っても(むな)しく、千縷(ちぢ)(わか)れの愁いを()るのは難しい。


cháng tíng yuàn màn

yǔ pō xǐ zì zhì qǔ,chū shuài yì wèi cháng duǎn jù,rán hòu xié yǐ lǜ,gù qián hòu què duō bùtóng.
huán dà sī mǎ yún,xī nián zhǒng liǔ,yī yī hàn nán,jīn kàn yáo luò,qī chuàng jiāng tán,shù yóu rú cǐ,rén hé yǐ kān.
cǐ yǔ yǔ shēn ài zhī.

1 jiàn chuī jìn、zhī tóu xiāng xù,shì chǔ rén jiā,lǜ shēn mén hù.
2 yuǎn pǔ yíng huí,mù fān líng luàn xiàng hé xǔ.
3 yuè rén duō yǐ,shuí dé sì cháng tíng shù.
4 shù ruò yǒu qíng shí,bú huì dé qīng qīng rú cǐ.

5 rì mù,wàng gāo chéng bú jiàn,zhǐ jiàn luàn shān wú shù.
6 wéi láng qù yě,zěn wàng dé yù huán fēn fù.
7 dì yī shì zǎo zǎo guī lái,pà hóng è wú rén wéi zhǔ.
8 suàn kōng yǒu bìng dāo,nán jiǎn lí chóu qiān lǚ.

0 件のコメント:

コメントを投稿