2022年9月15日木曜日

174水龍吟(辛棄疾)

水龍吟  辛棄疾

登建康賞心亭

1楚天千里清秋、水随天去秋無際。
2遙岑遠目、献愁供恨、玉簪螺髻。
3落日楼頭、断鴻声裏、江南遊子。
4把呉鉤看了、欄杆拍遍、無人会・登臨意。

5休説鱸魚堪膾、尽西風・季鷹帰未。
6求田問舍、怕応羞見、劉郎才気。
7可惜流年、憂愁風雨、樹猶如此。
8倩何人・喚取紅巾翠袖、搵英雄涙。

建康の賞心亭に登った

1楚の空は千里の清秋、水は天に随って去り、秋は限りない。
2遙か峰を眺めれば、愁いをもたらす、玉かんざしや髷のような姿。
3落日のたかどの、途切れがちに鳴く雁の声の中、江南の旅人。
4刀剣を手に見る、欄杆を叩きつくしても、登臨の意を分かる人はいない。

5言うまい、鱸魚で膾を堪能したいとは。秋風が吹き尽くしても、季鷹のように私は帰らない。
6田を求め家の値段を尋ねれば、きっと辱められるだけだ、劉備のような才気ある人物に。
7悔しい、長年、憂愁は風雨のごとく、樹さえまたこれほどになっている。
8誰に頼もうか、ハンカチや袖をとり、英雄の涙を拭ってくれ、と。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0賞心亭:建康(今の南京市)下水門の城上にある。下は秦淮河に臨み、当時の名勝地。現在は廃れている。 2玉簪螺髻:山の喩え。 4呉鉤:古代、呉の地で製造された弯頭の刀、広く刀剣を指す。 5「休説鱸魚」三句:晋の張翰、字は季鷹が、洛陽で官吏となり、秋風が吹くのを見て、呉中の蓴菜スープと鱸魚の膾(なます)を懐かしみ、辞職して故郷へ戻った故事。『世説新語』に見える。 6「求田問舍」三句:三国時代、許氾が劉備に、陳元龍はとても無礼で、自分は大きなベッドで寝て客の自分を床に寝かせた、と話したところ、劉備は、いま天下は大いに乱れ、国家存亡の危機である、なのにお前は土地を買ったり家の値段を聞いたり、大志がない、元龍はまだお前の相手をするだけマシだ、もし私だったら自分は百尺の楼上に寝て、お前を地下に寝させるがね、ベッドの上下だけで済ませるものか、と言った故事。『三国志』「陳登伝」に見える。 7樹猶如此:東晋の時代、桓温が北征した際に、金城(南京)を通り、以前植えた柳の樹がみな十抱えもあるほどに育っていて、「木 猶お此の如し、人 何を以て堪えんや!」と涙をはらはらこぼしながら嘆いた故事。『世説新語』に見える。人生老い易し、の意。 8倩:煩わせる、求める。 搵:物を水に浸すこと。ここは「ぬぐう」と解する。

建康の賞心亭に登った

 

1楚の(そら)は千里の清秋、水は天に随って去り、秋は無際(かぎりな)い。

2遙か(みね)遠目(なが)めれば、愁恨(うれい)献供(もたら)す、玉簪(たまかんざし)螺髻(まげ)

3落日の楼頭(たかどの)(とぎ)れがちに(かり)の声の(うち)、江南の遊子(たびびと)

呉鉤(かたな)()って看了()る、欄杆を拍遍(たたきつく)しても、登臨の意を(わか)無人(ひとはいな)い。

 

休説(いうま)い、鱸魚で膾を(たのし)みたいとは西風(あきかぜ)が尽きても、季鷹(わたし)帰未(かえらな)い。

6田を求め(いえ)(たず)ねれば、怕応(きっ)と羞しめられ()るだけ、劉郎(りゅうび)の才気に。

可惜(くやし)い、流年(ながねん)、憂愁は風雨のごとく、樹さえ()如此(これほど)に。

何人(だれ)(たの)もうか、紅巾(ハンカチ)翠袖(そで)を取り、英雄の涙を(ぬぐ)ってくれ、と


shuǐ lóng yín

dēng jiàn kāng shǎng xīn tíng

1 chǔ tiān qiān lǐ qīng qiū,shuǐ suí tiān qù qiū wú jì.
2 yáo cén yuǎn mù,xiàn chóu gōng hèn,yù zān luó jì.
3 luò rì lóu tóu,duàn hóng shēng lǐ,jiāng nán yóu zǐ.
4 bǎ wú gōu kàn liǎo,lán gān pāi biàn,wú rén huì、dēng lín yì.

5 xiū shuō lú yú kān kuài,jìn xī fēng、jì yīng guī wèi.
6 qiú tián wèn shě,pà yìng xiū jiàn,liú láng cái qì.
7 kě xī liún ián,yōu chóu fēng yǔ,shù yóu rú cǐ.
8 qiàn hé rén、huàn qǔ hóng jīn cuì xiù,wèn yīng xióng lèi.

0 件のコメント:

コメントを投稿