眼児媚 范成大
萍郷道中乍晴、臥輿中困甚、小憩柳塘。1酣酣日脚紫煙浮、妍暖破軽裘。
2困人天色、酔人花気、午夢扶頭。
3春慵恰似春塘水、一片縠紋愁。
4溶溶泄泄、東風無力、欲避還休。
萍郷の道中、にわかに晴れ、輿の中で横になっていると眠さが甚しい、柳の岸で少し休んだ。
1燦々と陽の光、けぶる浮き草、暖かくうすい上着に浸みる。
2人を眠らせる空の色、人を酔わせる花の気、昼の夢に頭をささえて。
3春のけだるさは春の川に似ている、一片の縮緬模様の愁い。
4のたりのたりと、春風は力無く、避けようとして、また休む。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0萍郷:今の江西萍郷市。范成大『驂鸞録』に「乾道癸巳(1173)閏正月二十六日、萍郷県に宿をとり、萍実駅に泊まった。ここは楚王が萍実※を得た地だと言う人がいるが、大江からだいぶ遠く、間違いである」という。 1酣酣:たくさんあるようす。 日脚:雲の切れ間から地平線に射す日光。 2扶頭:頭が重い時の動作の様子。酒の名とするは、誤り。「扶頭酒」は人を酔わせやすい酒をいい、酒の名が「扶頭」なのではない。賀鋳「南郷子」詞の「易酔扶頭酒、難逢敵手棋」、周邦彦「華胥引」詞の「酔頭扶起寒怯」とある。韓元吉「南郷子」詞の「爛酔拼扶頭」、趙長卿「鷓鴣天」詞の「睡覚扶頭聴暁鐘」、みな同じ。 3縠紋:さざなみの喩え。「縠」は、しわのある紗。 4溶溶泄泄:波が風まかせに揺蕩うようす。
※萍実は、萍蓬草(コウホネ)の実。『孔子家語』「致思」に、「楚王渡江、見物大如斗、円而赤、取之、使人往魯問孔子。孔子曰、此所謂萍実者也、可剖而食之、吉祥也、唯霸者能獲焉。」とある。後に、吉祥で得がたいものの喩え。
萍郷の道中、乍に晴れ、輿の中で臥ると困さが甚しい、柳の塘で小し憩んだ。
1酣酣と日の脚、紫煙る浮、妍暖かく軽裘に破る。
2人を困らせる天の色、人を酔わせる花の気、午の夢に頭を扶えて。
3春の慵さは春の塘水に恰似ている、一片の縠紋の愁い。
4溶溶泄泄と、東風は力無く、避け欲うとして還た休む。
yǎn ér mèi
píng xiāng dào zhōng zhà qíng,wò yú zhōng kùn shèn,xiǎo qì liǔ táng.
1 hān hān rì jiǎo zǐ yān fú,yán nuǎn pò qīng qiú.
2 kùn rén tiān sè,zuì rén huā qì,wǔ mèng fú tóu.
3 chūn yōng qià sì chūn táng shuǐ,yí piàn hú wén chóu.
4 róng róng xiè xie,dōng fēng wú lì,yù bì hái xiū.
0 件のコメント:
コメントを投稿