2022年9月6日火曜日

158念奴嬌(張孝祥)

念奴嬌  張孝祥

過洞庭

1洞庭青草、近中秋・更無一点風色。
2玉界瓊田三万頃、著我扁舟一葉。
3素月分輝、銀河共影、表裏俱澄澈。
4怡然心会、妙処難与君説。

5応念嶺海経年、孤光自照、肝胆皆冰雪。
6短髪蕭騷襟袖冷、穏泛滄浪空闊。
7尽挹西江、細斟北斗、万象為賓客。
扣舷独嘯、不知今夕何夕。 

洞庭を通り過ぎる

1洞庭と青草は、中秋に近く、さらに一点の風色もない。
2玉界の瓊田の如き月光は三万頃、私の小舟一艘に着く。
3白い月は天上と水中に輝きを分け、銀河は光を共にし、表裏ともに透き通る。
4ゆったりと落ち着いて、妙処を君とともに語るのは難しい。

5そこで思った、嶺海で過ごした年、ぽつんと月が私を照らし、心はすっかり雪のように白かった。
6いま、短い髪もまばらになり衣は冷たく、静かに波の広がりに舟を浮かべている。
7西江をすべて汲み、こまやかに北斗の柄杓で酌んで、万象を賓客としよう。
8船べりと叩きながら独り吟じ、今宵がいつの宵なのかを知らない。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1洞庭青草:青草湖が洞庭湖の南にある。二つの湖は通じていて、総称して洞庭湖とされる。 2玉界瓊田:月が湖水を照らして白いさま。 5嶺海:「両広(広東省と広西壮族自治区)」の地。北は五嶺に接し、南は大海に臨む。作者は広南路経略安撫使に任ぜられたことがある。官を辞して、桂林を離れた。 「孤光」二句:月光の下で肝胆も白く照らされていることを借りて、自分の心が明るく、磊落な思いであることを述べる。 6蕭騷:まばらなさま。 7挹:皿で汲む。『詩経』小雅「大東」に「不可以挹酒漿(以て酒漿を挹む可からず)」とある。 西江:西から流れる長江。 細斟北斗:北斗星を、酒を酌む柄杓にして飲む。『楚辞』九歌「東君」に「援北斗兮酌桂漿(北斗を援りて桂漿を酌む)」とある。 万象:宇宙にある万物。 8「不知」句:すばらしい景色を賛嘆する言葉。『詩経』唐風「綢繆」に「今夕何夕、見此良人(今夕 何の夕ぞ、此の良人を見る)」とある。また蘇軾「念奴嬌・中秋」詞に「起舞徘徊風露下、今夕不知何夕(起て舞い風露の下を徘徊す、今夕 何夕か知らず)」とある。

 

洞庭を(よぎ)

 

1洞庭と青草は、中秋に近く、更に一点の風色も無い。

2玉界の瓊田は三万頃、我が扁舟(こぶね)一葉に()く。

素月(つき)は輝きを分け、銀河は(ひかり)を共にし、表裏(とも)澄澈(すきとお)る。

怡然(ゆったり)心会(おちつ)いて、妙処を君と(とも)(かた)るのは難しい

 

(まさ)(おも)う、嶺海で(すご)した年、孤光(つき)自照(ひか)り、肝胆(こころ)(すべ)冰雪(しろ)く。

6短い髪は蕭騷(まばら)になり襟袖(ころも)は冷たく、(しず)かに滄浪(なみ)空闊(ひろが)りに(うか)ぶ。

7西江を(すべ)()(こまや)かに北斗で()んで、万象を賓客と()よう。

(ふなべり)(たた)いて(ひと)(ぎん)じ、今夕(こよい)何夕(いつのよい)かを不知(しらな)い。


niàn nú jiāo

guò dòng tíng

1 dòng tíng qīng cǎo,jìn zhōng qiū、gèng wú yì diǎn fēng sè.
2 yù jiè qióng tián sān wàn qǐng,zháo wǒ piān zhōu yí yè.
3 sù yuè fēn huī,yín hé gòng yǐng,biǎo lǐ jù chéng chè.
4 yí rán xīn huì,miào chù nán yǔ jūn shuō.

5 yìng niàn lǐng hǎi jīng nián,gū guāng zì zhào,gān dǎn jiē bīng xuě.
6 duǎn fà xiāo sǎo jīn xiù lěng,wěn fàn cāng làng kōng kuò.
7 jìn yì xī jiāng,xì zhēn běi dǒu,wàn xiàng wèi bīn kè.
8 kòu xián dú xiào,bù zhī jīn xī hé xī.

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