1篆縷消金鼎、酔沈沈・庭陰転午、画堂人静。
2芳草王孫知何処、惟有楊花糝径。
3漸玉枕・騰騰春醒。
4簾外残紅春已透、鎮無聊・殢酒厭厭病。
5雲鬢乱、未忺整。
6江南旧事休重省、遍天涯・尋消問息、断鴻難倩。
7月満西楼憑欄久、依旧帰期未定。
8又只恐・瓶沈金井。
9嘶騎不来銀燭暗、枉教人・立尽梧桐影。
10誰伴我、対鸞鏡。
1篆香の煙は香炉で消え、酔ってぐっすり、庭は日が高くなり、たかどのはひっそりしている。
2春の草が茂り、王孫のようなあの人はどこにいるのか分からない、ただ柳の花だけが小径に散らばっている。
3ゆっくりと寝床でだらしなく春の目覚め。
4簾の向こうにはあせた花、春はすでに行き渡り、ひがな無聊で酒に苦しみ病にうんざりする。
5豊かな髪は乱れ、まだ悦んで整える気にはならない。
6江南の思い出をまた振り返るのはやめよう。天の果てをめぐり消息をたずねたが、手紙を届けてくれる雁は見つからない。
7月が西楼に円くかかるころ、手すりに久しくもたれるが、やはり帰る時は定まらない。
8またただ瓶が井戸に沈んで、二度と会えないのを恐れる。
9馬は来ない、蠟燭は暗い、わざと私を梧桐の影に立ち尽くさせる。
10誰が私に連れ添って、鏡に向かってくれるだろう。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1篆縷:くゆる香の煙が、篆字のようだ。 金鼎:香炉。 2糝:音は「三」、上声、ちらばる。 3騰騰:だらけている。白居易「戯贈蕭処士清禅師」詩に「又有放慵巴郡守、不営一事共騰騰(又た有り 放慵たる巴郡の守、一事を営まず 共に騰騰たり)」とある。 4鎮:一日中、久しく。 殢:音は「替」、また「逆」、苦しむこと。 5忺:音は「掀」、歓ぶこと、興があること。 6倩:請う、求める。 8瓶沈金井:白居易「新楽府・井底引銀瓶」に「瓶沈簪折知奈何、似妾今朝与君別(瓶沈み簪折る 知らず 奈何せん、妾が今朝 君と別るるに似たり)」とある。 9嘶騎:いななく馬。 10鸞鏡:化粧に使う鏡。白居易「新楽府・太行路」に「何況如今鸞鏡中、妾顔未改君心改(何に況んや 如今 鸞鏡の中、妾が顏の未だ改まざるに君が心改まる)」とある。
hè xīn láng
1 zhuàn lǚ xiāo jīn dǐng,zuì chén chén、tíng yīn zhuàn wǔ,huà táng rén jìng.
2 fang cǎo wáng sūn zhī hé chù,wéi yǒu yang huā sǎn jìng.
3 jiàn yù zhěn、tēng tēng chūn xǐng.
4 lián wài cán hóng chūn yǐ tòu,zhèn wú liáo、tì jiǔ yàn yan bìng.
5 yún bìn luàn,wèi xiān zhěng.
6 jiāng nán jiù shì xiū zhòng shěng,biàn tiān yá、xún xiāo wèn xī,duàn hóng nán qiàn.
7 yuè mǎn xī lóu píng lán jiǔ,yī jiù guī qī wèi dìng.
8 yòu zhǐ kǒng、píng shěn jīn jǐng.
9 sī qí bù lái yín zhú àn,wǎng jiāo rén、lì jìn wú tóng yǐng.
10 shéi bàn wǒ,duì luán jìng.
3漸玉枕・騰騰春醒。
4簾外残紅春已透、鎮無聊・殢酒厭厭病。
5雲鬢乱、未忺整。
6江南旧事休重省、遍天涯・尋消問息、断鴻難倩。
7月満西楼憑欄久、依旧帰期未定。
8又只恐・瓶沈金井。
9嘶騎不来銀燭暗、枉教人・立尽梧桐影。
10誰伴我、対鸞鏡。
1篆香の煙は香炉で消え、酔ってぐっすり、庭は日が高くなり、たかどのはひっそりしている。
2春の草が茂り、王孫のようなあの人はどこにいるのか分からない、ただ柳の花だけが小径に散らばっている。
3ゆっくりと寝床でだらしなく春の目覚め。
4簾の向こうにはあせた花、春はすでに行き渡り、ひがな無聊で酒に苦しみ病にうんざりする。
5豊かな髪は乱れ、まだ悦んで整える気にはならない。
6江南の思い出をまた振り返るのはやめよう。天の果てをめぐり消息をたずねたが、手紙を届けてくれる雁は見つからない。
7月が西楼に円くかかるころ、手すりに久しくもたれるが、やはり帰る時は定まらない。
8またただ瓶が井戸に沈んで、二度と会えないのを恐れる。
9馬は来ない、蠟燭は暗い、わざと私を梧桐の影に立ち尽くさせる。
10誰が私に連れ添って、鏡に向かってくれるだろう。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1篆縷:くゆる香の煙が、篆字のようだ。 金鼎:香炉。 2糝:音は「三」、上声、ちらばる。 3騰騰:だらけている。白居易「戯贈蕭処士清禅師」詩に「又有放慵巴郡守、不営一事共騰騰(又た有り 放慵たる巴郡の守、一事を営まず 共に騰騰たり)」とある。 4鎮:一日中、久しく。 殢:音は「替」、また「逆」、苦しむこと。 5忺:音は「掀」、歓ぶこと、興があること。 6倩:請う、求める。 8瓶沈金井:白居易「新楽府・井底引銀瓶」に「瓶沈簪折知奈何、似妾今朝与君別(瓶沈み簪折る 知らず 奈何せん、妾が今朝 君と別るるに似たり)」とある。 9嘶騎:いななく馬。 10鸞鏡:化粧に使う鏡。白居易「新楽府・太行路」に「何況如今鸞鏡中、妾顔未改君心改(何に況んや 如今 鸞鏡の中、妾が顏の未だ改まざるに君が心改まる)」とある。
1篆縷は金鼎に消え、酔って沈沈、庭陰は転午く、画堂は人静。
2芳草に王孫は何処か知らず、惟だ楊花だけが径に糝って有る。
3漸と玉枕で騰騰く春の醒め。
4簾の外には残た紅、春は已に透り、鎮な無聊で酒に殢しみ病に厭厭する。
5雲鬢は乱れ、未だ忺んで整えない。
6江南の旧事を重た省るのは休よう、天涯を遍り消息を尋問たが、断鴻は難倩い。
7月が西楼に満く、欄に久しく憑れる、依旧帰る期は未定い。
8又た只だ瓶が金井に沈むのを恐れる。
9嘶騎は不来い、銀燭は暗い、枉と人を梧桐の影に立ち尽くさせる。
10誰が我に伴って、鸞鏡に対うだろう。
hè xīn láng
1 zhuàn lǚ xiāo jīn dǐng,zuì chén chén、tíng yīn zhuàn wǔ,huà táng rén jìng.
2 fang cǎo wáng sūn zhī hé chù,wéi yǒu yang huā sǎn jìng.
3 jiàn yù zhěn、tēng tēng chūn xǐng.
4 lián wài cán hóng chūn yǐ tòu,zhèn wú liáo、tì jiǔ yàn yan bìng.
5 yún bìn luàn,wèi xiān zhěng.
6 jiāng nán jiù shì xiū zhòng shěng,biàn tiān yá、xún xiāo wèn xī,duàn hóng nán qiàn.
7 yuè mǎn xī lóu píng lán jiǔ,yī jiù guī qī wèi dìng.
8 yòu zhǐ kǒng、píng shěn jīn jǐng.
9 sī qí bù lái yín zhú àn,wǎng jiāo rén、lì jìn wú tóng yǐng.
10 shéi bàn wǒ,duì luán jìng.
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