2022年8月30日火曜日

135喜遷鶯(劉一止)

喜遷鶯  劉一止

暁行

1暁光催角、聴宿鳥未驚、鄰鶏先覚。
2迤邐煙村、馬嘶人起、残月尚穿林薄。
3涙痕帯霜微凝、酒力衝寒猶弱。
4嘆倦客、悄不禁重染、風塵京洛。

5追念人別後、心事万重、難覓孤鴻托。
6翠幌嬌深、曲屏香暖、争念歳華飄泊。
7怨月恨花煩悩、不是不曾経著。
8者情味・望一成消減、新来還悪。

暁の旅立ち

1暁の光が角笛を促し、耳をすます、巣のある鳥はまだ起きていないのに、鄰の鶏が先に目覚めた。
2うねうねと靄にけぶる村、馬が嘶いて人々が起き、残月はまだ林やススキに光を差している。
3涙の痕が霜を帯びてかすかに凍り、酒の力は寒さに当たってまだ弱い。
4ああ、旅に疲れた私は、また染まるのには耐えられない、埃まみれの都には。

5思い出す、あの人と別れた後、思いは幾重にもなって、群れにはぐれた雁を探して托すのも難しい。
6カーテンの揺れる部屋の奥では、屏風と暖かい香があった。どうしてあのとき想像できただろう、いまの漂泊の日々を。
7月を怨み花を恨んで悩む、かつて覚えがないわけではないけれど。
8こんな味わいは、さっと消えて欲しいのに、新たにまた酷くなろうとは。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2林薄:草木が茂っているところ。『楚辞』王逸注に「叢木を林と曰い、草木の交錯するを薄と曰う」とある。 4風塵京洛:晋の陸機「為願彦先贈婦」詩に「京洛多風塵、素衣化為緇(京洛 風塵多く、素衣 化して緇と為る)」とある。のちに、世俗の汚れにまみれる喩え。 8者:「這(これ)」。

暁の行(たびだち)

 

1暁の光が角(つのぶえ)を催(うなが)し、聴く、宿(す)のある鳥が未驚(おきていな)いのに、鄰の鶏が先に覚(めざめ)た。

2迤邐(うねうね)と煙(けぶ)る村、馬が嘶いて人が起き、残月は尚(ま)だ林(はやし)や薄(すすき)を穿(さ)している。

3涙の痕が霜を帯びて微(かす)かに凝(こお)り、酒の力は寒さに衝(あた)って猶(ま)だ弱い。

4嘆く、倦客(わたし)は重(ま)た染るのは悄不禁(たえられな)い、風塵(ほこりまみれ)の京洛(みやこ)に。

 

5追念(おもいだ)す、人(あのひと)と別れた後、心事(おもい)は万重(いくえ)、孤鴻(かり)を覓(さが)して托すのも難しい。

6翠幌(カーテン)の嬌(ゆ)れる深(おく)、曲屏(びょうぶ)と暖かい香、争(どうし)て念(わか)ったろうか、歳華(いま)の飄泊を。

7月を怨み花を恨んで煩悩(なや)む、曾て経著(おぼえ)が不是不(ないわけではな)い。

8者(こ)んな情味(あじわ)いは、一成(さ)っと消減(きえ)て望(ほ)しいのに、新たに還(ま)た悪(ひど)く来(な)る。


xǐ qiān yīng

xiǎo xíng

1 xiǎo guāng cuī jiǎo,tīng sù niǎo wèi jīng,lín jī xiān jué.
2 yǐ lǐ yān cūn,mǎ sī rén qǐ,cán yuè shàng chuān lín bó.
3 lèi hén dài shuāng wēi níng,jiǔ lì chòng hán yóu ruò.
4 tàn juàn kè,qiǎo bùj īn zhòng rǎn,fēng chén jīng luò.

5 zhuī niàn rén bié hòu,xīn shì wàn zhòng,nán mì gū hóng tuō.
6 cuì huǎng jiāo shēn,qǔ píng xiāng nuǎn,zhēng niàn suì huá piāo bó.
7 yuàn yuè hèn huā fán nǎo,bú shì bù céng jīng zháo.
8 zhě qíng wèi、wàng yì chéng xiāo jiǎn,xīn lái hái è.

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