賀新郎 葉夢得
1睡起流鶯語、掩蒼苔・房櫳向晚、乱紅無数。
2吹尽残花無人見、惟有垂楊自舞。
3漸暖靄・初回軽暑。
4宝扇重尋明月影、暗塵侵・上有乗鸞女。
5驚旧恨、遽如許。
6江南夢断横江渚、浪黏天・葡萄漲緑、半空煙雨。
7無限楼前滄波意。
8誰采蘋花寄取。
9但悵望、蘭舟容与。
10万里雲帆何時到。
11送孤鴻・目断千山阻。
12誰為我、唱金縷。
1眠りから覚めると鶯のさえずりが聞こえる、苔におおわれて部屋は夕暮れ、散る花が無数に。
2残りの花を吹き尽くしても見る人はいない、ただ柳が舞っているだけ。
3次第に暖かい靄がめぐってきて、すこし暑くなってきた。
4扇でまた明月の影を探そうとすると、扇にはいつの間にか塵が積もっている、そこには鸞に乗る女が描かれていて。
5昔の恨みにはっとさせられる、どれほどだったかと驚かされる。
6江南で夢はよこたわる川に断たれ、波が空に粘りつくよう、醸したばかりの葡萄酒のように水が漲り、空の半分はけぶる雨。
7かぎりなくたかどのの前には青い波。
8誰か蘋の花を採って寄こす人はいるだろうか。
9ただ悲しく眺める、船はゆっくりと進んでいる。
10万里のかなた、帆をあげていつになったら着くのやら。
11群からはぐれた雁を見送る、千山に阻まれたかなたを眺めて。
12誰か私のために「金縷」を唱ってくれまいか。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
4明月影・乗鸞女:『龍城録』に「九月望日、明皇月宮に遊び、素娥千余人の、皆な皓衣にて白鸞に乗るを見る」とある。 6葡萄漲緑:李白「襄陽歌」に「遙看漢水鴨頭緑、恰似葡萄初醗醅(遥かに看る 漢水鴨頭の緑、恰も似たり 葡萄の初めて醗醅するに)」とある。 8采蘋花:柳惲が呉興太守となり、「江南曲」を作って「汀洲采白蘋、落日江南春(汀洲 白蘋を采る、落日 江南の春)」と言った、と『南史』に見える。柳宗元「酬曹侍御過象県見寄」詩に「春風無限瀟湘意、欲采蘋花不自由(春風 限り無し 瀟湘の意、蘋花を采らんと欲すれども自由ならず)」とある。 9容与:ゆるやかで進まないようす。『楚辞』「渉江」に「船容与而不進兮、淹回水而凝滞(船 容与として進まず、回水に淹まりて凝滞す)」とある。 12金縷:杜牧「杜秋娘詩」に「秋持玉斝酔、与唱金縷衣(秋 玉斝を持って酔い、与に唱う 金縷の衣)」とあり、原注に「『勧君莫惜金縷衣、勧君須惜少年時。花開堪折直須折、莫待無花空折枝(君に勧む 金縷の衣を惜しむ莫れ、君に勧む 須らく少年の時を惜しむべし。花開きて折るに堪えば直ちに須く折るべし、花無きを待って空しく枝を折る莫れ)』、李錡〔按ずるに、杜秋娘は李錡の妾たり〕長に此の辞を唱う」とある。
hè xīn láng
1 shuì qǐ liú yīng yǔ,yǎn cāng tái ・ fáng lóng xiàng wǎn,luàn hóng wú shù.
2 chuī jìn cán huā wú rén jiàn,wéi yǒu chuí yáng zì wǔ.
3 jiàn nuǎn ǎi、chū huí qīng shǔ.
4 bǎo shàn chóng xún míng yuè yǐng,àn chén qīn、shàng yǒu chéng luán nǚ.
5 jīng jiù hèn,jù rú xǔ.
6 jiāng nán mèng duàn héng jiāng zhǔ,làng nián tiān、pú táo zhàng lǜ,bàn kōng yān yǔ.
7 wú xiàn lóu qián cāng bō yì.
8 shéi cǎi pín huā jì qǔ.
9 dàn chàng wàng,lán zhōu róng yǔ.
10 wàn lǐ yún fān hé shí dào.
11 sòng gū hóng、mù duàn qiān shān zǔ.
12 shéi wèi wǒ,chàng jīn lǚ.
2吹尽残花無人見、惟有垂楊自舞。
3漸暖靄・初回軽暑。
4宝扇重尋明月影、暗塵侵・上有乗鸞女。
5驚旧恨、遽如許。
6江南夢断横江渚、浪黏天・葡萄漲緑、半空煙雨。
7無限楼前滄波意。
8誰采蘋花寄取。
9但悵望、蘭舟容与。
10万里雲帆何時到。
11送孤鴻・目断千山阻。
12誰為我、唱金縷。
1眠りから覚めると鶯のさえずりが聞こえる、苔におおわれて部屋は夕暮れ、散る花が無数に。
2残りの花を吹き尽くしても見る人はいない、ただ柳が舞っているだけ。
3次第に暖かい靄がめぐってきて、すこし暑くなってきた。
4扇でまた明月の影を探そうとすると、扇にはいつの間にか塵が積もっている、そこには鸞に乗る女が描かれていて。
5昔の恨みにはっとさせられる、どれほどだったかと驚かされる。
6江南で夢はよこたわる川に断たれ、波が空に粘りつくよう、醸したばかりの葡萄酒のように水が漲り、空の半分はけぶる雨。
7かぎりなくたかどのの前には青い波。
8誰か蘋の花を採って寄こす人はいるだろうか。
9ただ悲しく眺める、船はゆっくりと進んでいる。
10万里のかなた、帆をあげていつになったら着くのやら。
11群からはぐれた雁を見送る、千山に阻まれたかなたを眺めて。
12誰か私のために「金縷」を唱ってくれまいか。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
4明月影・乗鸞女:『龍城録』に「九月望日、明皇月宮に遊び、素娥千余人の、皆な皓衣にて白鸞に乗るを見る」とある。 6葡萄漲緑:李白「襄陽歌」に「遙看漢水鴨頭緑、恰似葡萄初醗醅(遥かに看る 漢水鴨頭の緑、恰も似たり 葡萄の初めて醗醅するに)」とある。 8采蘋花:柳惲が呉興太守となり、「江南曲」を作って「汀洲采白蘋、落日江南春(汀洲 白蘋を采る、落日 江南の春)」と言った、と『南史』に見える。柳宗元「酬曹侍御過象県見寄」詩に「春風無限瀟湘意、欲采蘋花不自由(春風 限り無し 瀟湘の意、蘋花を采らんと欲すれども自由ならず)」とある。 9容与:ゆるやかで進まないようす。『楚辞』「渉江」に「船容与而不進兮、淹回水而凝滞(船 容与として進まず、回水に淹まりて凝滞す)」とある。 12金縷:杜牧「杜秋娘詩」に「秋持玉斝酔、与唱金縷衣(秋 玉斝を持って酔い、与に唱う 金縷の衣)」とあり、原注に「『勧君莫惜金縷衣、勧君須惜少年時。花開堪折直須折、莫待無花空折枝(君に勧む 金縷の衣を惜しむ莫れ、君に勧む 須らく少年の時を惜しむべし。花開きて折るに堪えば直ちに須く折るべし、花無きを待って空しく枝を折る莫れ)』、李錡〔按ずるに、杜秋娘は李錡の妾たり〕長に此の辞を唱う」とある。
1睡起ると流鶯の語、蒼苔に掩われて房櫳は向晚、乱紅が無数。
2残りの花を吹き尽くして見る人は無く、惟だ垂楊が自舞って有る。
3漸に暖かい靄が回り初めて軽し暑い。
4宝扇で重た明月の影を尋すと、暗かに塵が侵り、上に鸞に乗る女が有る。
5旧の恨みに驚かされる、如許と遽かされる。
6江南で夢は横わる江渚に断たれ、浪が天に黏き、葡萄に緑が漲り、半ば空は煙る雨。
7限り無く楼の前に滄い波意。
8誰か蘋花を采って寄取すのか。
9但だ悵しく望める、蘭舟は容与。
10万里の雲帆は何時到くだろう。
11孤鴻を送る、千山に阻まれるのを目断めて。
12誰か我の為に、「金縷」を唱ってくれ。
hè xīn láng
1 shuì qǐ liú yīng yǔ,yǎn cāng tái ・ fáng lóng xiàng wǎn,luàn hóng wú shù.
2 chuī jìn cán huā wú rén jiàn,wéi yǒu chuí yáng zì wǔ.
3 jiàn nuǎn ǎi、chū huí qīng shǔ.
4 bǎo shàn chóng xún míng yuè yǐng,àn chén qīn、shàng yǒu chéng luán nǚ.
5 jīng jiù hèn,jù rú xǔ.
6 jiāng nán mèng duàn héng jiāng zhǔ,làng nián tiān、pú táo zhàng lǜ,bàn kōng yān yǔ.
7 wú xiàn lóu qián cāng bō yì.
8 shéi cǎi pín huā jì qǔ.
9 dàn chàng wàng,lán zhōu róng yǔ.
10 wàn lǐ yún fān hé shí dào.
11 sòng gū hóng、mù duàn qiān shān zǔ.
12 shéi wèi wǒ,chàng jīn lǚ.
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