天香 賀鋳
1煙絡横林、山沈遠照、迤邐黄昏鐘鼓。
2燭映簾櫳、蛩催機杼、共苦清秋風露。
3不眠思婦、斉応和・幾声砧杵。
4驚動天涯倦宦、駸駸歳華行暮。
5当年酒狂自負、謂東君・以春相付。
6流浪征驂北道、客檣南浦。
7幽恨無人晤語。
8頼明月・曾知旧遊処、好伴雲来、還将夢去。
2ともしびが窓に映り、コオロギが機織りを促し、ともに秋の寒さに苦しんでいる。
3眠れない女たちは、砧を打つ音をみなで合わせている。
4その音は、天の果てにいる旅人を驚かせる、そそくさと歳は暮れてしまう、と。
5あのとき、酒に溺れて自負していた、東君に春を私に任せてくれと言って。
6そして流浪した、北道を駆け巡り、南浦に宿して。
7語れる人がいないのを恨みながら。
8明月が頼りだ、曾て知っていたはずだ、むかし遊んだところを。雲を連れてきて、また夢を持って行くがいい。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1迤邐:連続して途切れないさま。 2蛩:蟋蟀(コオロギ)、別名「促織」。そこで「催機杼」と続く。 4駸駸:馬が疾走するようす。派生義で、速いこと。 5東君:春を司る神。
1煙が横がる林に絡わり、山に遠く照が沈み、迤邐も黄昏の鐘鼓。
2燭が簾櫳に映り、蛩が機杼を催し、共に清秋の風露さに苦しむ。
3不眠い思婦は、砧杵の幾声を斉で応和ている。
4天涯の倦宦を驚動かす、駸駸と歳華は行暮れる、と。
5当年、酒に狂れて自負し、東君に謂った、春を相付けてくれ、と。
6流浪して北道を征驂り、南浦に客檣した。
7晤語れる人が無いのを幽恨みながら。
8明月を頼る、曾て知っていた、旧遊んだ処、好く雲を伴来て、還た夢を去け。
tiān xiāng
1 yān luò héng lín,shān shěn yuǎn zhào,yǐ lǐ huáng hūn zhōng gǔ.
2 zhú yìng lián lóng,qióng cuī jī zhù,gòng kǔ qīng qiū fēng lù.
3 bù mián sī fù,qí yìng hé、jǐ shēng zhēn chǔ.
4 jīng dòng tiān yá juàn huàn,qīn qīn suì huá xíng mù.
5 dāng nián jiǔ kuáng zì fù,wèi dōng jūn、yǐ chūn xiāng fù.
6 liú làng zhēng cān běi dào,kè qiáng nán pǔ.
7 yōu hèn wú rén wù yǔ.
8 lài míng yuè、céng zhī jiù yóu chù,hǎo bàn yún lái,hái jiāng mèng qù.
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