浪淘沙慢 周邦彦
1昼陰重、霜凋岸草、霧隠城堞。2南陌脂車待発、東門帳飲乍闋。
3正払面垂楊堪攬結、掩紅涙・玉手親折。
4念漢浦離鴻去何許、経時信音絶。
5情切。
6望中地遠天闊。
7向露冷風清無人処、耿耿寒漏咽。
8嗟万事難忘、惟是軽別。
9翠樽未竭、憑断雲・留取西楼残月。
10羅帯光消紋衾畳、連環解・旧香頓歇。
11怨歌永、瓊壺敲尽缺。
12恨春去不与人期、弄夜色、空余満地梨花雪。
1昼間の雲は厚く、霜が岸の草を枯らし、霧が姫垣を隠す。
2南の通りでは脂をぬった車が旅立ちを待ち、東門での別れの宴がいま終わった。
3柳はちょうど顔を払い、取って結ぶのによい、紅涙を掩う白い手で、あの人はみずから枝を折る。
4思う、漢浦で別れてから、雁はどこへ行ったやら、時がたち音信は途絶えた。
5切ない。
6眺めれば、あの人は天地のかなたに。
7露が冷たく風が清々しい、ひとけのない所で、ポツポツと寂しげに水時計の音が響く。
8嘆く、万事忘れ難いのは、ひとえに軽々しく別れてしまったこと。
9酒が尽きないうちに、ちぎれ雲を頼りに西楼の残月を取ろう。
10絹の帯はつやをなくし、花模様のしとねは畳まれ、連環は解かれ、残り香もすぐに消えた。
11怨みの歌は終わらない、玉壺は叩かれてあちこち欠けてしまった。
12恨む、春が去って私と約束しないで、夜の景色を弄び、むなしく庭いっぱいに雪のような梨の花だけ残していることを。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2脂車:油をよく塗った車。油を車轄(車輪を軸にとめつけるくさび)に塗って、車軸の摩擦力を減らす。 東門帳飲:漢の疏広が官を辞して郷里へ帰る時に、公卿大夫が帳を張って宴席を設けて、東都の門外で送別した。 闋:終わる。 3紅涙:化粧法の一つで、涙を流しているように頬を飾る。蜀の妓女灼灼は、絹のハンカチに紅涙を集めて裴質に送った。『麗情集』に見える。 4漢浦:「漢皋」ともいう。周代の鄭交甫はここで二人の遊女に会い、佩玉を解いて贈ったという。 10連環解:連環を打ち壊して解く、情を断ち切り、「旧香頓に歇む」喩え。109周邦彦「解連環」の注、参照。 11瓊壺敲尽缺:晋の王敦が酒を飲んで、曹操の楽府詩「老驥伏櫪、志有千里。烈士暮年、壮心不已(老驥は櫪に伏すも、志は千里にあり。烈士暮年、壮心やまず)」を、鉄の如意で玉の唾壺(痰壺)を叩いてリズムをとりながら吟じていて、壺の口が欠けた故事。『世説新語』に見える。
1昼の陰は重く、霜は岸の草を凋らし、霧が城堞を隠す。
2南の陌で脂車が発を待ち、東門の帳飲が乍闋った。
3垂楊は正ど面を払い、攬って結ぶのに堪く、紅涙を掩う玉手で親ら折る。
4念う、漢浦で離れて鴻は何許へ去った、時が経ち信音は絶えた。
5情切い。
6望中れば、天地の遠闊に。
7露が冷たく風が清々しい無人い処で、耿耿と寒漏が咽く。
8嗟く、万事忘れ難いのは、惟是に軽々しい別れ。
9翠樽が未竭いうちに、断雲を憑って西楼の残月を留取う。
10羅帯は光を消し、紋衾は畳まれ、連環は解かれ、旧香も頓に歇えた。
11怨みの歌は永い、瓊壺は敲かれて尽缺けた。
12恨む、春が去って人と不期いで、夜色を弄び、空しく満地に梨花の雪を余していることを。
làng táo shā màn
1 zhòu yīn zhòng,shuāng diāo àn cǎo,wù yǐn chéng dié.
2 nán mò zhī chē dài fā,dōng mén zhàng yǐn zhà què.
3 zhèng fú miàn chuí yáng kān lǎn jié,yǎn hóng lèi、yù shǒu qīn zhé.
4 niàn hàn pǔ lí hóng qù hé xǔ,jīng shí xìn yīn jué.
5 qíng qiè.
6 wàng zhōng dì yuǎn tiān kuò.
7 xiàng lù lěng fēng qīng wú rén chù,gěng gěng hán lòu yè.
8 jiè wàn shì nán wàng,wéi shì qīng bié.
9 cuì zūn wèi jié,píng duàn yún、liú qǔ xī lóu cán yuè.
10 luó dài guāng xiāo wén qīn dié,lián huán jiě、jiù xiāng dùn xiē.
11 yuàn gē yǒng,qióng hú qiāo jìn quē.
12 hèn chūn qù bù yǔ rén qī,nòng yè sè,kōng yú mǎn dì lí huā xuě.
0 件のコメント:
コメントを投稿