2022年8月27日土曜日

115瑞鶴仙(周邦彦)

瑞鶴仙  周邦彦

1悄郊原帯郭。
2行路永、客去車塵漠漠。
3斜陽映山落、斂余紅・猶恋孤城欄角。
4凌波歩弱、過短亭、何用素約。
5有流鶯勧我、重解繡鞍、緩引春酌。

6不記帰時早暮、上馬誰扶、醒眠朱閣。
7驚飆動幕。
8扶残酔、繞紅薬。
9嘆西園・已是花深無地、東風何事又悪。
10任流光過却、猶喜洞天自楽。

1ひっそりと野原が街から続く。
2旅路は遠く、旅人が行き、車の土ぼこりがぼうぼうと立つ。
3夕陽が山を照らしながら沈み、残光も消えたが、なおも街の欄干が恋しい。
4あの人はなよなよと歩いてきた、駅を過ぎたところで、約束もしていなかったのに。
5鶯が私に勧めた、また鞍を解いて、ゆっくりと春の酒を酌めばいいのに、と。

6覚えていない、帰った時はいつだったか、馬に乗るのに誰が支えてくれたのか、たかどので目が覚めた。
7突風が簾を動かした。
8まだ酔いが残っている状態でふらつきながら、芍薬のあたりをうろうろした。
9ため息をつく、西園ではもう花がびっしりと咲き誇っているのに、春風はどうしてまた意地悪をするのだろう。
10時が過ぎゆくに任せて、私はやはり洞天の楽しみを喜ぼう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1郭:外城。 3欄角:城角。 4凌波:なよなよ歩くさま。曹植「洛神賦」に「凌波微歩、羅韈生塵(波を凌いで微歩すれば、羅韈 塵を生ず)」とある。 短亭:郊外の道に、旅人が休息できるように設置された駅。亭と亭のあいだの距離には長短があり、十里に一つ長亭、五里に一つ短亭があったという。 素約:もとからあった約束。 10洞天:道家のいう神仙のすむ所。借りて妓女の住まいを言う。

中華書局『宋詞三百首誦読本』注:
3欄角:欄干の曲がる部分。

 

(ひっそり)郊原(のはら)(まち)から(つづ)く。

行路(たびぢ)(とお)く、(たびびと)()き、車の(つちぼこり)漠漠(ぼうぼう)とたつ。

斜陽(ゆうひ)が山を(てら)して(しず)み、余紅(うすあかり)()えた、(なお)孤城(まち)欄角(てすり)が恋しい。

凌波(なよなよ)歩弱(ある)く、短亭(えき)を過ぎて、素約(やくそく)何用(していな)かったのに。

流鶯(うぐいす)()(わたし)に勧めた、()繡鞍(くら)を解いて(ゆっくり)と春の(さけ)()め、と。

 

不記(おぼえていな)い、帰った時は早暮(いつ)か、馬に()るのに誰が(たす)けたのか、朱閣(たかどの)醒眠(めざ)めた。

驚飆(とっぷう)が簾を動かす。

残酔(ふつかよい)(ふらつ)く、紅薬(しゃくやく)(めぐ)った。

9嘆く、西園は已是(もう)花が無地(びっしり)(さきほこ)っている、東風(はるかぜ)何事(どうして)()(いじわる)なのか。

10流光(とき)過却(すぎゆ)くに任せ、猶お洞天の自楽(たのしみ)を喜ぶ。


ruì hè xiān

1 qiǎo jiāo yuán dài guō.
2 xíng lù yǒng,kè qù chē chén mò mò.
3 xié yáng yìng shān luò,liǎn yú hóng、yóu liàn gū chéng lán jiǎo.
4 líng bō bù ruò,guò duǎn tíng,hé yòng sù yuē.
5 yǒu liú yīng quàn wǒ,zhòng jiě xiù ān,huǎn yǐn chūn zhuó.

6 bú jì guī shí zǎo mù,shàng mǎ shuí fú,xǐng mián zhū gé.
7 jīng biāo dòng mù.
8 fú cán zuì,rào hóng yào.
9 tàn xī yuán、yǐ shì huā shēn wú dì,dōng fēng hé shì yòu è.
10 rèn liú guāng guò què,yóu xǐ dòng tiān zì lè.

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