2022年8月26日金曜日

109解連環(周邦彦)

解連環  周邦彦

1怨懐無托。
2嗟情人断絶、信音遼邈。
3縦妙手・能解連環、似風散雨收、霧軽雲薄。
4燕子楼空、暗塵鎖・一床弦索。
5想移根換葉、尽是旧時、手種紅薬。

6汀洲漸生杜若。
7料舟依岸曲、人在天角。
8漫記得・当日音書、把閑語閑言、待総焼却。
9水駅春回、望寄我・江南梅萼。
10拚今生・対花対酒、為伊涙落。

1怨みは抱いたまま、托すすべがない。
2嘆く、あの人と断絶して、手紙こ来ないことを。
3たとえ妙手で連環を解くことができても、かつての歓びは風雨がやみ、雲霧が消えたかのようだろう。
4燕子楼にはひとけがなく、塵ほこりが琴の弦を閉じ込めている。
5きっと根も葉も新しくなっているのだろう、すべてあの時、あの人が手づから植えた芍薬だが。

6汀にしだいにヤブショウブが生えてきた。
7おそらく舟は岸の淵に近づいていて、私は天の果てにいる。
8むだに覚えている、あの日の手紙、おざなりな言葉を、すべて焼いてしまいたい。
9水辺の駅に春がまた廻ってきたら、私に江南の梅の花を送ってほしい。
10やめよう、今生、花に向かい酒に向かい、あの人のために涙をこぼすのは。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3妙手解連環:『戦国策』の故事に、秦王が使者を派遣して斉王に玉の連環を送り、「斉国には聡明な人が多いから、きっと解けるだろう」と言うので、斉の皇后が鉄槌で連環を打ち壊し、秦の使者に「もう解けましたよ」と言った、とある。 4燕子楼空:盼盼が旧情を重んじて、主人が殁した後、燕子楼に居て十数年も嫁がなかった故事。065蘇軾「永遇楽」詞題の注、参照。ここは逆の意で用いた。 5紅薬:赤い芍薬の花。 6杜若:香りのある草花。「九歌・湘夫人」に「搴汀洲兮杜若、将以遺兮遠者(汀州の杜若を搴り、将に以て遠き者に遺らんとす)」とある。 9「水駅」二句:『荊州記』に、陸凱が江南から梅の花を長安へ送り、親友の范曄に、「折梅逢駅使、寄与隴頭人。江南無所有、聊贈一枝春(花を折りて駅使に逢う、隴頭の人に寄与せん。江南に有る所無し、聊か一枝の春を贈らん)」と詩を添えて贈った。

1怨みは(いだ)いて托すすべが無い。

(なげ)く、情人(あのひと)と断絶し信音(てがみ)(こな)

(たと)え妙手で連環を解くことが(でき)ても、風雨が散收()み、雲霧が軽薄(きえ)たかの(よう)

4燕子楼は(ひとけな)く、暗塵(ちりほこり)一床(こと)弦索(げん)(とじこめ)ている。

(きっ)と根も葉も移換(あたら)しかろう、尽是(すべて)旧時(あのとき)、手づから()えた紅薬(しゃくやく)

 

汀洲(みぎわ)(しだい)杜若(ヤブショウブ)()いる。

(おそら)く舟は岸曲(きし)(ちかづ)き、(わたし)天角(てんのはて)に在る。

(むだ)記得(おぼえ)ている、当日(あのひ)音書(てがみ)閑閑(おざなり)語言(ことば)()(すべ)焼却(やいてしま)()い。

水駅(えき)に春が(めぐ)れば、(わたし)に江南の梅萼(うめのはな)(おく)って()しい。

10(やめ)よう、今生、花に(むか)い酒に(むか)い、(あのひと)の為に涙(こぼ)すのは。


jiě lián huán

1 yuàn huái wú tuō.
2 jiè qíng rén duàn jué,xìn yīn liáo miǎo.
3 zòng miào shǒu、néng jiě lián huán,sì fēng sàn yǔ shōu,wù qīng yún bó.
4 yàn zǐ lóu kōng,àn chén suǒ、yì chuáng xián suǒ.
5 xiǎng yí gēn huàn yè,jìn shì jiù shí,shǒu zhǒng hóng yào.

6 tīng zhōu jiàn shēng dù ruò.
7 liào zhōu yī àn qǔ,rén zài tiān jiǎo.
8 màn jì dé、dāng rì yīn shū,bǎ xián yǔ xián yán,dài zǒng shāo què.
9 shuǐ yì chūn huí,wàng jì wǒ、jiāng nán méi è.
10 pīn jīn shēng 、duì huā duì jiǔ,wèi yī lèi luò.

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