2022年8月24日水曜日

100瑣寒窓(周邦彦)

瑣寒窓  周邦彦

1暗柳啼鴉、単衣佇立、小簾朱戸。
2桐花半畝、静鎖一庭愁雨。
3灑空階・夜闌未休、故人剪燭西窓語。
4似楚江暝宿、風灯零乱、少年羈旅。

5遅暮。
6嬉遊処。
7正店舍無煙、禁城百五。
8旗亭喚酒、付与高陽儔侶。
9想東園・桃李自春、小唇秀靨今在否。
10到帰時・定有残英、待客携樽俎。

1暗い柳で啼く鴉、単衣を着て佇む、小さな簾のかかる戸口に。
2桐の花が半畝ほど、静かに閉じ込められる、庭に寂しい雨。
3ひとけのない階段を濡らし、夜がふけても止まない、昔の詩人は蠟燭の芯を切りながら語り合ったけれど。
4似ている、楚江で夜に宿をとり、風に灯が揺れた、若き日の旅に。

5春の終わり。
6楽しく遊んだところ。
7ちょうどいま店や宿には煙がたたない、都は百五(寒食)のために。
8酒屋で酒を頼み、酒飲み友だちに与えよう。
9想像する、我が家の東園の桃や李は勝手に春になって、可愛らしい花をいまも咲かせているかどうか、と。
10故郷へ帰る時がきたら、きっと散り残った花びらが、旅人(私)が酒と肴を持ってくるのを待っているだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3剪燭西窓語:李商隠「夜雨寄北」詩に「何当共剪西窓燭、却話巴山夜雨時(何か当に共に西窓の燭を剪りて、却て話すべき 巴山夜雨の時を)」とある。 4風灯零乱:杜甫「船下夔州別王十二判官」詩に「風起春灯乱、江鳴夜雨懸(風起りて春灯乱れ、江鳴りて夜雨懸る)」とある。 7「正店舍」二句:玄稹「連昌宮詞」に「初過寒食一百六、店舎無煙宮樹緑(初めて過ぐ 寒食一百六、店舎 煙無く 宮樹緑なり)」とある『荊楚歳時記』に「冬至を去ること百五日、疾風甚雨有り、之を寒食と謂う」とある 8旗亭:酒楼。楼上に酒旗を立て、客を呼びこんだ。 高陽儔侶:酒飲み友だち。『史記』に、酈食其が儒冠の姿で沛公劉邦に会おうとした時、劉邦は儒者を嫌って会いたがらなかったので、酈食其は剣を持って大声で「我は儒生に非ず、乃ち高陽の酒徒なり」と叫んだ。後に酒飲みで放縦な人を高陽酒徒と呼ぶようになった。 9小唇秀靨:李賀「蘭香神女廟」詩に「穠眉籠小唇(穠眉 小唇を籠む)」とある。また「悩公」詩に「暁奩妝秀靨(暁奩 秀靨を妝う)」とある。 10樽俎:酒や肉を盛る器。ここは酒や肴をいう。

1暗い柳で啼く鴉、単衣(ひとえ)佇立(たたず)む、小簾(すだれ)朱戸(とぐち)に。

2桐の花が半畝、静かに(とじこ)められる、一庭(にわ)(さび)しい雨。

3(ひとけな)(きざはし)を灑らし、夜が()けても未休(やまな)い、(むかし)の人は(ろうそく)()りながら西の窓べで語った。

4似ている、楚江で(よる)に宿をとり、風に灯が零乱()れた、少年(わかきひ)羈旅(たび)に。

 

5遅暮(はるのおわり)

6(たの)しく遊んだ処。

7(ちょう)(みせ)(やど)(けむり)は無い、禁城(みやこ)は百五で。

8旗亭(さかや)で酒を(たの)み、高陽儔侶(さけのみともだち)付与(あた)えよう。

9想う、東園の桃や李は(かって)に春になって、小秀(かわいら)しい唇靨(はな)を今も(さかせてい)るか(どう)かと。

10帰る時に()ったら、(きっ)と残った(はなびら)が有って、(たびびと)(さけ)(さかな)(もっ)てくるのを待っているだろう。


suǒ hán chuān

1 àn liǔ tí yā,dān yī zhù lì,xiǎo lián zhū hù.
2 tóng huā bàn mǔ,jìng suǒ yì tíng chóu yǔ.
3 sǎ kōng jiē、yè lán wèi xiū,gù rén jiǎn zhú xī chuān yǔ.
4 sì chǔ jiāng mìng sù,fēng dēng líng luàn,shào nián jī lǚ.

5 chí mù.
6 xī yóu chù.
7 zhèng diàn shě wú yān,jìn chéng bǎi wǔ.
8 qí tíng huàn jiǔ,fù yǔ gāo yáng chou lǚ.
9 xiǎng dōng yuán、táo lǐ zì chūn,xiǎo chún xiù yè jīn zài fǒu.
10 dào guī shí、dìng yǒu cán yīng,dài kè xié zūn zǔ.

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