1暗柳啼鴉、単衣佇立、小簾朱戸。
2桐花半畝、静鎖一庭愁雨。
3灑空階・夜闌未休、故人剪燭西窓語。
4似楚江暝宿、風灯零乱、少年羈旅。
5遅暮。
6嬉遊処。
7正店舍無煙、禁城百五。
8旗亭喚酒、付与高陽儔侶。
9想東園・桃李自春、小唇秀靨今在否。
10到帰時・定有残英、待客携樽俎。
1暗い柳で啼く鴉、単衣を着て佇む、小さな簾のかかる戸口に。
2桐の花が半畝ほど、静かに閉じ込められる、庭に寂しい雨。
3ひとけのない階段を濡らし、夜がふけても止まない、昔の詩人は蠟燭の芯を切りながら語り合ったけれど。
4似ている、楚江で夜に宿をとり、風に灯が揺れた、若き日の旅に。
5春の終わり。
6楽しく遊んだところ。
7ちょうどいま店や宿には煙がたたない、都は百五(寒食)のために。
8酒屋で酒を頼み、酒飲み友だちに与えよう。
9想像する、我が家の東園の桃や李は勝手に春になって、可愛らしい花をいまも咲かせているかどうか、と。
10故郷へ帰る時がきたら、きっと散り残った花びらが、旅人(私)が酒と肴を持ってくるのを待っているだろう。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3剪燭西窓語:李商隠「夜雨寄北」詩に「何当共剪西窓燭、却話巴山夜雨時(何か当に共に西窓の燭を剪りて、却て話すべき 巴山夜雨の時を)」とある。 4風灯零乱:杜甫「船下夔州別王十二判官」詩に「風起春灯乱、江鳴夜雨懸(風起りて春灯乱れ、江鳴りて夜雨懸る)」とある。 7「正店舍」二句:玄稹「連昌宮詞」に「初過寒食一百六、店舎無煙宮樹緑(初めて過ぐ 寒食一百六、店舎 煙無く 宮樹緑なり)」とある『荊楚歳時記』に「冬至を去ること百五日、疾風甚雨有り、之を寒食と謂う」とある 8旗亭:酒楼。楼上に酒旗を立て、客を呼びこんだ。 高陽儔侶:酒飲み友だち。『史記』に、酈食其が儒冠の姿で沛公劉邦に会おうとした時、劉邦は儒者を嫌って会いたがらなかったので、酈食其は剣を持って大声で「我は儒生に非ず、乃ち高陽の酒徒なり」と叫んだ。後に酒飲みで放縦な人を高陽酒徒と呼ぶようになった。 9小唇秀靨:李賀「蘭香神女廟」詩に「穠眉籠小唇(穠眉 小唇を籠む)」とある。また「悩公」詩に「暁奩妝秀靨(暁奩 秀靨を妝う)」とある。 10樽俎:酒や肉を盛る器。ここは酒や肴をいう。
suǒ hán chuān
1 àn liǔ tí yā,dān yī zhù lì,xiǎo lián zhū hù.
2 tóng huā bàn mǔ,jìng suǒ yì tíng chóu yǔ.
3 sǎ kōng jiē、yè lán wèi xiū,gù rén jiǎn zhú xī chuān yǔ.
4 sì chǔ jiāng mìng sù,fēng dēng líng luàn,shào nián jī lǚ.
5 chí mù.
6 xī yóu chù.
7 zhèng diàn shě wú yān,jìn chéng bǎi wǔ.
8 qí tíng huàn jiǔ,fù yǔ gāo yáng chou lǚ.
9 xiǎng dōng yuán、táo lǐ zì chūn,xiǎo chún xiù yè jīn zài fǒu.
10 dào guī shí、dìng yǒu cán yīng,dài kè xié zūn zǔ.
3灑空階・夜闌未休、故人剪燭西窓語。
4似楚江暝宿、風灯零乱、少年羈旅。
5遅暮。
6嬉遊処。
7正店舍無煙、禁城百五。
8旗亭喚酒、付与高陽儔侶。
9想東園・桃李自春、小唇秀靨今在否。
10到帰時・定有残英、待客携樽俎。
1暗い柳で啼く鴉、単衣を着て佇む、小さな簾のかかる戸口に。
2桐の花が半畝ほど、静かに閉じ込められる、庭に寂しい雨。
3ひとけのない階段を濡らし、夜がふけても止まない、昔の詩人は蠟燭の芯を切りながら語り合ったけれど。
4似ている、楚江で夜に宿をとり、風に灯が揺れた、若き日の旅に。
5春の終わり。
6楽しく遊んだところ。
7ちょうどいま店や宿には煙がたたない、都は百五(寒食)のために。
8酒屋で酒を頼み、酒飲み友だちに与えよう。
9想像する、我が家の東園の桃や李は勝手に春になって、可愛らしい花をいまも咲かせているかどうか、と。
10故郷へ帰る時がきたら、きっと散り残った花びらが、旅人(私)が酒と肴を持ってくるのを待っているだろう。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3剪燭西窓語:李商隠「夜雨寄北」詩に「何当共剪西窓燭、却話巴山夜雨時(何か当に共に西窓の燭を剪りて、却て話すべき 巴山夜雨の時を)」とある。 4風灯零乱:杜甫「船下夔州別王十二判官」詩に「風起春灯乱、江鳴夜雨懸(風起りて春灯乱れ、江鳴りて夜雨懸る)」とある。 7「正店舍」二句:玄稹「連昌宮詞」に「初過寒食一百六、店舎無煙宮樹緑(初めて過ぐ 寒食一百六、店舎 煙無く 宮樹緑なり)」とある『荊楚歳時記』に「冬至を去ること百五日、疾風甚雨有り、之を寒食と謂う」とある 8旗亭:酒楼。楼上に酒旗を立て、客を呼びこんだ。 高陽儔侶:酒飲み友だち。『史記』に、酈食其が儒冠の姿で沛公劉邦に会おうとした時、劉邦は儒者を嫌って会いたがらなかったので、酈食其は剣を持って大声で「我は儒生に非ず、乃ち高陽の酒徒なり」と叫んだ。後に酒飲みで放縦な人を高陽酒徒と呼ぶようになった。 9小唇秀靨:李賀「蘭香神女廟」詩に「穠眉籠小唇(穠眉 小唇を籠む)」とある。また「悩公」詩に「暁奩妝秀靨(暁奩 秀靨を妝う)」とある。 10樽俎:酒や肉を盛る器。ここは酒や肴をいう。
1暗い柳で啼く鴉、単衣で佇立む、小簾の朱戸に。
2桐の花が半畝、静かに鎖められる、一庭に愁しい雨。
3空い階を灑らし、夜が闌けても未休い、故の人は燭を剪りながら西の窓べで語った。
4似ている、楚江で暝に宿をとり、風に灯が零乱れた、少年の羈旅に。
5遅暮。
6嬉しく遊んだ処。
7正ど店や舍に煙は無い、禁城は百五で。
8旗亭で酒を喚み、高陽儔侶に付与えよう。
9想う、東園の桃や李は自に春になって、小秀しい唇靨を今も在るか否かと。
10帰る時に到ったら、定と残った英が有って、客が樽と俎を携てくるのを待っているだろう。
suǒ hán chuān
1 àn liǔ tí yā,dān yī zhù lì,xiǎo lián zhū hù.
2 tóng huā bàn mǔ,jìng suǒ yì tíng chóu yǔ.
3 sǎ kōng jiē、yè lán wèi xiū,gù rén jiǎn zhú xī chuān yǔ.
4 sì chǔ jiāng mìng sù,fēng dēng líng luàn,shào nián jī lǚ.
5 chí mù.
6 xī yóu chù.
7 zhèng diàn shě wú yān,jìn chéng bǎi wǔ.
8 qí tíng huàn jiǔ,fù yǔ gāo yáng chou lǚ.
9 xiǎng dōng yuán、táo lǐ zì chūn,xiǎo chún xiù yè jīn zài fǒu.
10 dào guī shí、dìng yǒu cán yīng,dài kè xié zūn zǔ.
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