2022年8月23日火曜日

095謝池春(李之儀)

謝池春  李之儀

1残寒消尽、疏雨過、清明後。
2花径款余紅、風沼縈新皺。
3乳燕穿庭戸、飛絮沾襟袖。
4正佳時、仍晚昼。
5著人滋味、真箇濃如酒。

6頻移帯眼、空只恁厭厭瘦。
7不見又思量、見了還依旧。
8為問頻相見、何似長相守。
9天不老、人未偶。
10且将此恨、分付庭前柳。

1残っていた寒さもすっかり消え、こぬか雨が降り過ぎる、清明の後。
2花さく小径にほかの花びらが残り、風の吹く沼に新たにさざ波がめぐる。
3燕の雛は庭や戸のあたりを飛び、柳のわたは襟や袖に貼りつく。
4本当によい時候、まだ遅い昼下がり。
5人に与える味わいは、まことに酒のように濃い。

6しばしば帯の穴を移動させて、むなしく鬱々と痩せるに任せた。
7会えないのにまた想う、会えればまた昔のままに。
8だからあなたに聞きたい、しばしば会うのに、どうしてずっと一緒に暮らさないの、と。
9天は永遠で、人はいつまでも一緒になれない。
10しばらくこの恨みを、庭の前の柳に与えよう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2款:留める。 6頻移帯眼:孔のある革製の帯が、身体が細くなったために緩くなり、孔をずらさなくてはいけなくなった。『南史』「沈約伝」の「与徐勉書」に「老病百日数旬、革帯常応移孔」とある。 只恁:このように。 厭厭:「懨懨」に同じ。気持ちがふるわないようす。

1残る寒さも消え尽くし、疏雨(こぬかあめ)が過(ふりす)ぎる、清明の後。

2花の径(こみち)に余(ほか)の紅(はなびら)が款(のこ)り、風ふく沼に新たに皺(さざなみ)が縈(めぐ)る。

3乳燕(つばめのひな)は庭戸(にわ)を穿(と)び、飛絮(やなぎのわた)は襟や袖に沾(はりつ)く。

4正(ちょう)ど佳(よ)い時(ころ)、仍(ま)だ晚(おそ)い昼さがり。

5人に著(あた)える滋味(あじわい)は、真箇(まこと)に酒の如(よう)に濃い。

 

6頻(しばし)ば帯の眼(あな)を移し、空しく只だ厭厭(うつうつ)と瘦せるに恁(まか)せた。

7不見(あえな)いのに又た思量(おも)う、見了(あえれ)ば還(ま)た依旧(むかしのまま)に。

8為(だか)ら問(き)きたい、頻(しばし)ば相見(あ)うのに、何似(どうして)長く相守(くら)さないのか。

9天は不老(とこしえ)で、人は未偶(むすばれな)い。

10且(しばら)く此の恨みを(将)、庭の前の柳に分付(あた)えよう。


xiè chí chūn

1 cán hán xiāo jìn,shū yǔ guò,qīng míng hòu.
2 huā jìng kuǎn yú hóng,fēng zhǎo yíng xīn zhòu.
3 rǔ yàn chuān tíng hù,fēi xù zhān jīn xiù.
4 zhèng jiā shí,réng wǎn zhòu.
5 zhuó rén zī wèi,zhēn gè nóng rú jiǔ.

6 pín yí dài yǎn,kōng zhǐ nín yàn yàn shòu.
7 bú jiàn yòu sī liáng,jiàn liǎo hái yī jiù.
8 wèi wèn pín xiāng jiàn,hé sì cháng xiāng shǒu.
9 tiān bù lǎo,rén wèi ǒu.
10 qiě jiāng cǐ hèn,fēn fù tíng qián liǔ.

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