其四
1詩人辛国士、〔辛泌、克清〕
2句法似阿駒。
3別墅滄浪曲、
4緑陰禽鳥呼。
5頗参金粟眼、
6漸造文字無。
7児輩例学語、
8屋壁祝蒲盧。
杜甫の「長歌 意は極まり無し、好し老夫が為に聴け」を以て韻と為し、沔鄂の親戚友人に別れ奉る。
其四
1詩人の辛国士、〔辛泌、克清〕
2句法は阿駒に似ている。
3別墅は滄浪の曲にあり、
4緑陰で禽鳥が呼びあっている。
5頗ばかり金粟(如来)の(正法)眼に参んで、
6漸に文字無くして造るようになった。
7児輩は例にならって語を学び、
8屋壁では蒲盧が(「我に似よ」と)祝いでいる。
1詩人:『詩経』の作者。のちに詩を作る人。 国士:国中でもっとも才能にすぐれた人物。 辛泌、克清:夏承燾『姜白石詞編年箋校』「行実考(交遊)」十一「辛克清」に、「漢陽県志入文学伝」とある。 2句法:詩句の作り方。 阿駒:黄庭堅の甥の洪芻(字は駒父、南昌の人、紹聖元年=一○九四年の進士)ではないか、という。 3滄浪:漢水のこと。『書』「禹貢」に「嶓冢導漾、東流為漢。又東為滄浪之水」とある。 5「頗参」句:「金粟」は金粟如来、維摩居士の前身。「眼」は正法眼、禅宗で仏法の端的な事柄、肝要な事柄を意味する。 6「漸造」句:「文字無」は、「不立文字」すなわち経典の言葉から離れて、ひたすら坐禅することによって釈尊の悟りを直接体験すること。 8「屋壁」句:「蒲盧」は、腰の部分が細くくびれている蜂、ジガバチ(似我蜂)、とっくりバチ。アオムシの体内に卵を生み、孵化した幼虫はアオムシをエサにして育つが、昔はアオムシがハチを我が子のように養っていると誤解されていた。『詩経』小雅「小宛」に、「螟蛉有子、蜾嬴負之。教誨爾子、式穀似之」とある。黄庭堅「演雅」詩に「晴天振羽楽蜉蝣、空穴祝児成蜾臝」とあり、任淵注に「法言曰、螟蠕之子殪而逢蜾臝、祝之曰、類我、類我。久則肖之矣。注謂、螟蠕、虫也。蜾臝、蒲盧也。桑虫子始生、而蒲盧取之於木空中、七日祝而化之、以変為己子」という。
0 件のコメント:
コメントを投稿