其九
1伐木響虚牝、
2吾願友褐夫。
3九関呀虎豹、
4何時内高袪。
5黄鵠眇雲樹、
6鸚鵡澹煙蕪。
7倚杖得清賞、
8洗心観本初。
杜甫の「長歌 意は極まり無し、好し老夫が為に聴け」を以て韻と為し、沔鄂の親戚友人に別れ奉る。
其九
1木を伐るおとが虚牝に響き、
2吾は願う、褐夫と友になりたい、と。
3九関では虎や豹が呀ていて、
4何時になったら高く袪がることを内されるやら。
5黄鵠(楼)からは雲のたなびく樹々が眇せ、
6鸚鵡(州)は煙のかかる蕪で澹けている。
7杖を倚りに清賞を得み、
8心を洗って本初を観よう。
1伐木:木を伐る。『詩経』小雅に「伐木」詩がある。 虚牝:空谷。 2褐夫:粗末な衣服を着た人。貧しい人。 3九関:九重になっている天門。虎や豹が門を開け閉めして、天にのぼろうとする人を噛むという。 4袪:あがる。 内:容れる。 56黄鵠・鸚鵡:「黄鵠」は黄鶴に同じ、黄鶴楼を指す。「鸚鵡」は鸚鵡州を指す。ともに漢陽にあり、唐・崔顥「黄鶴楼」詩に「昔人已乗黄鶴去、此地空余黄鶴楼。黄鶴一去不復返、白雲千載空悠悠。晴川歴歴漢陽樹、芳草萋萋鸚鵡洲。日暮郷関何処是、煙波江上使人愁」と詠われている。姜夔「清波引」詞序に「予久客古沔、滄浪之煙雨、鸚鵡之草樹、頭陀・黄鶴之偉観、郎官・大別之幽処、無一日不在心目間」という。 7清賞:優雅な景色。 8洗心:心を洗う。邪念や雑念を払う喩え。 本初:原初、原始。
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