其十
1孤鴻度関山、
2風霜摧翅翎。
3影低白雲暮、
4哀噭那忍聴。
5士生有如此、
6儲粟不満瓶。
7著書窮愁浜、
8可続離騒経。
杜甫の「長歌 意は極まり無し、好し老夫が為に聴け」を以て韻と為し、沔鄂の親戚友人に別れ奉る。
其十
1孤た鴻が関山を度る、
2風と霜が翅翎を摧く。
3影は低い、白雲ただよう暮れ、
4哀しげな噭は、聴くに那忍い。
5士生たるもの、如此なことも有る、
6儲の粟が瓶に不満いくらし。
7むかしから書が著されるのは、こうした窮愁浜のとき、
8あの『離騒経』に可続うではないか。
1孤鴻:群から離れた雁。 関山:辺塞の関所のある山。 2翅翎:つばさ。 5「士生」句:黄庭堅「次韻定国聞蘇子由臥病績渓」に「寒暑戦胸中、士窮有如此」とある。「士生」は男子。 6「儲粟」句:窮乏しているさま。陶淵明「帰去来辞」序に「余家貧、耕植不足以自給、幼稚盈室、瓶無儲粟、生生所資、未見其術」とある。 7「著書」句:『史記』「平原君虞卿列伝」に「然虞卿非窮愁、亦不能著書以自見於後世云」とある。 8離騒経:屈原の「離騒」。『史記』「屈原賈生列伝」に「屈平之作離騒、蓋自怨生也」とある。
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