其八
1宦達羞故妻、
2貧賤厭丘嫂。
3上書雲雨迥、
4還舍筍蕨老。
5江皐鉏帯経、
6決計恨不早。
7士無五羖皮、
8沒世抱枯槁。
杜甫の「長歌 意は極まり無し、好し老夫が為に聴け」を以て韻と為し、沔鄂の親戚友人に別れ奉る。
其八
1宦達すれば故れた妻も羞いるが、
2貧賤しいままでは丘嫂にも厭われる。
3書を上ろうにも雲雨は迥か、
4舍に還ると筍や蕨が老っているだけ。
5江皐で経を帯えて鉏すくらしで、
6決計するのが不早かったのが恨まれる。
7士とて五羖の皮が無ければ、
8沒世ぬまで枯槁たすがたで抱するばかりだ。
1「宦達」句:漢の朱買臣の故事。家が貧しかったが読書を好み、薪を売って生活していた。妻はその暮しぶりを恥じ、離縁した。のちに朱買臣は栄達し、別れた妻とその夫が道を清掃しているのを見かけて食事を給したが、妻は一月ほどして自殺してしまった。『漢書』「朱買臣伝」に見える。 2「貧賤」句:漢の劉邦の故事。まだ頭角を表していなかった頃、兄嫁はこの義弟を嫌がり、義弟が客とともに来たとき、羹を食べつくしたと見せかけて与えなかった。『漢書』「楚元王伝」に見える。 3雲雨:宮門にかかる雲と雨。天子の恩沢をいう。 5鉏帯経:経書を携えて耕作する。『漢書』「児寛伝」に「貧無資用、嘗為弟子都養、時行賃作、帯経而鉏、休息輒読誦」とある。 7五羖皮:春秋時代の百里傒の故事。秦に五頭の牡羊の皮で楚から買われ、秦を覇者たらしめた。『史記』「秦本紀」に見える。 8枯槁:憔悴しているさま。『楚辞』「漁父」に「屈原既放、游於江潭、行吟沢畔、顔色憔悴、形容枯槁」とある。
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