2022年8月18日木曜日

077減字木蘭花(秦観)

減字木蘭花  秦観

1天涯旧恨、独自淒涼人不問。
2欲見回腸、断尽金炉小篆香。

3黛蛾長斂、任是春風吹不展。
4困倚危楼、過尽飛鴻字字愁。

1天のはてで昔の恨みに、ひとり悲しんでいる、人はだれも気づかない。
2胸はりさけんばかりの苦しみを表したいが、香炉の小さな篆字香も燃え尽きた。

3黛をひいた蛾眉はいつもひそめられ、春風に吹かれても開かれないままだ。
4眠くなって高い楼でもたれていると、雁の群れが「人」の字の隊列になって、すっかり飛び過ぎていった、どの文字もどの文字も愁いを残しながら。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2「欲見」句:苦衷を訴えたい。「見」は現わす。「回腸」ははらわたがねじれる、苦痛で不安なさま。司馬遷「報任安書」に「是を以て腸は一日にして九回す」とある。 篆香:篆書体の文字に作った香、燃やして時間を計る。 3黛蛾:黛で描いた蛾眉、女性の眉毛を指す。

(てんの)(はて)(むかし)の恨み、独自(ひと)淒涼(かな)しみ、人は不問(きづかな)い。

回腸(くるしみ)(あらわ)たい()が、金炉(こうろ)の小さな篆香は断尽(つき)た。

 

黛蛾(まゆ)(いつ)(ひそ)められ、春風にも吹不展(ひらかれな)いのに任是(まかせ)せる。

(ねむ)くて危楼(たかどの)(もた)れる、飛鴻(かりのむれ)は過ぎ尽くす、字字(どのもじ)も愁いで。


Jiǎn zì mù lán huā

1 tiān yá jiù hèn,dú zì qī liáng rén bú wèn.
2 yù jiàn huí cháng,duàn jìn jīn lú xiǎo zhuàn xiāng.

3 dài é cháng liǎn,rèn shì chūn fēng chuī bù zhǎn.
4 kùn yǐ wēi lóu,guò jìn fēi hóng zì zì chóu.

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