2022年8月17日水曜日

074八六子(秦観)

八六子  秦観

1倚危亭。
2恨如芳草、萋萋剗尽還生。
3念柳外青驄別後、水辺紅袂分時、愴然暗驚。

4無端天与娉婷。
5夜月一簾幽夢、春風十里柔情。
6怎奈向・歓娯漸随流水、素弦声断、翠綃香減。
7那堪片片飛花弄晚、濛濛残雨籠晴。
8正銷凝、黄鸝又啼数声。

1高いあずまやで欄干にもたれる。
2恨みは草のよう、刈り尽くしたと思ってもまた生える。
3思い出す、柳のむこう、馬に乗って別れた後、岸で紅い袂のあなたが別れた時、かなしくてひそかに心乱れた。

4わけもなく天が与えてくれた美しい人。
5夜の月、簾のかげで見たひめた夢、「春風十里」と詠われた恋ごころ。
6どうしようもない、歓楽はしだいに流水とともに去り、琴の音は途絶え、絹の香りは薄れてしまった。
7どうして堪えられよう、はらはらと飛ぶ花びらは晚春に舞い、しとしとと残る雨で空は降り籠められて。
8ちょうど沈んでいるところへ、高麗ウグイスがまたいく声か啼いた。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2劃:「鏟」に通じる。 4天与:天が与えた。ここは「合縁奇縁」の意。 娉婷:女性の美しさ。ふつう美女と解されるが、ここは思われ人を指す。 5「春風」句:杜牧「贈別」詩に「娉娉裊裊十三余、豆蔲梢頭二月初。春風十里揚州路、巻上珠簾総不如(娉娉嫋嫋たる  十三余、荳蔻の梢頭 二月の初。春風十里 揚州の路、珠簾を卷き上ぐれど総じて如かず)」とある。 6怎奈向:いかんせん。「向」は語気を強める語助詞、当時の俗語。 7「正銷凝」二句:杜牧「八六子」の末句「正銷魂、梧桐又移翠陰」に倣う。「銷凝」は鬱屈した気持ち。

(たか)(あずまや)(もた)れる。

2恨みは芳草(くさ)がの(よう)萋萋(わさわさ)()り尽くしても()た生える。

(おも)う、柳の(むこう)(うま)れた後、水辺(あか)い袂が分れた時、愴然(かな)しくて(ひそ)かに驚いた。

 

無端(わけもな)く天が与えた(うつく)しさ

5夜の月、一簾(すだれ)(ひめ)た夢、春風十里の柔情(こいごころ)

怎奈向(どうしようもな)い、歓娯(よろこび)(しだい)に流水に随い、素弦(こと)(おと)は断え、(きぬ)りが(うす)れた。

(どうし)て堪られよう、片片(はらはら)飛花(はなびら)(はるのくれ)()い、濛濛(しとしと)と残る雨で晴れが()められる。

(ちょう)銷凝(しず)んでいると、(こうらいうぐいす)数声()いた。


bā liù zǐ

1 yǐ wēi tíng.
2 hèn rú fang cǎo,qī qī chǎn jìn hái shēng.
3 niàn liǔ wài qīng cōng bié hòu,shuǐ biān hóng mèi fēn shí,chuàng rán àn jīng.

4 wú duān tiān yǔ pīng tíng.
5 yè yuè yì lián yōu mèng,chūn fēng shí lǐ róu qíng.
6 zěn nài xiàng、huān yú jiàn suí liú shuǐ,sù xián shēng duàn,cuì xiāo xiāng jiǎn.
7 nǎ kān piàn piàn fēi huā nòng wǎn,méng méng cán yǔ lǒng qíng.
8 zhèng xiāo níng,huáng lí yòu tí shù shēng.

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