2022年8月16日火曜日

073望海潮(秦観)

望海潮  秦観

1梅英疏淡、冰澌溶泄、東風暗換年華。
2金谷俊遊、銅駝巷陌、新晴細履平沙。
3長記誤随車。
4正絮翻蝶舞、芳思交加。
5柳下桃蹊、乱分春色到人家。

6西園夜飲鳴笳。
7有華灯礙月、飛蓋妨花。
8蘭苑未空、行人漸老、重来是事堪嗟。
9煙暝酒旗斜。
10但倚楼極目、時見棲鴉。
11無奈帰心、暗随流水到天涯。

1梅の花はまばらに淡い色を呈し、冰は融けて水が流れ、春風はひそかに年月を新たにした。
2金谷園での遊び、銅の駱駝のいる通り、晴れたばかりの岸を軽やかに歩いた。
3いつまでも覚えている、誤って車についていった、あの日。
4ちょうど柳のわたは蝶が舞うようにヒラヒラと飛び、思いは乱れ交じって。
5柳の下、桃の花さく小道、春の色をむやみに分けて、人々の家まで届く。

6西園で夜に酒を飲んで、笳の音を響かせる。
7酒宴の明るい灯が月の光を妨げ、車が多くて花を観て歩く人を邪魔している。
8庭の花や木はまだ衰えていないのに、旅人はしだいに老いて、再び訪ねてきたが何もかも嘆かわしい。
9夕靄は暗く、酒店の旗は斜めにはためいている。
10ただ楼にもたれて遠くを眺めると、いつも巣に帰る鴉が見えるだけ。
11帰郷したい気持ちをどうすることもできない、ひそかに流水に随って天涯まで届け。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0汲古閣本『淮海詞』では詞牌下の題に「洛陽懐古」とあり、『草堂詩余』では「春感」とあるが、宋本には無い。秦観の詞の内容は、懐古の作ではないので、題目は後人が加えたものだろう。 1冰澌溶泄:氷に閉じ込められていた水面が溶けて,水が流れるさま。「澌」は流水。 2金谷:晋の石崇が建てた花園の名、洛陽の西北にあった。石崇は賓客を招いてここで宴を開き詩を作った。 俊遊:景勝地を遊覧する。 銅駝:洛陽の宮門南、四会道口に建てられた一対の銅を鋳造した駱駝。駱駝街はこの繁華な通り。 巷陌:通り。道。 5桃蹊:桃の樹のしたの小道。 6西園:風景のよい園林をいう。曹植「公燕」詩に「清夜遊西園、飛蓋相追随(清夜 西園に遊び、飛蓋 相い追随す)」とある。 笳:古代の管楽器。 7飛蓋:疾走する車両。「蓋」は車の幌。 8蘭苑:園林をいう。 是事:どの出来事も。

1梅の英は疏らに淡く、冰は()溶泄(なが)れ、東風(はるかぜ)が暗かに年華(とき)(あらた)めた。

2金谷での俊遊(あそび)び、銅駝の巷陌(みち)新晴(はれ)平沙(きし)(かろや)かに(ある)く。

(ずっ)(おぼ)えている、誤って車に随った。

(ちょう)(やなぎのわた)は蝶の舞に()び、芳思(おもい)交加(みだ)れて。

5柳の下、桃の(こみち)(みだり)に春の色を分けて人の家に到る。

 

6西園で夜に飲む、笳を鳴らす。

華灯(ともしび)が月を(さまた)げ、飛蓋(くるま)が花を妨げて()る。

蘭苑(にわ)未空(あれていな)いが、行人(たびびと)(しだい)に老い、(ふたた)び来ても是事(なにもかも)堪嗟(なげかわ)しい。

(もや)(くら)く、酒旗は斜めに。

10()だ楼に(もた)れて極目(ながめや)る、(いつ)も棲の鴉が見える。

11無奈(どうすることもできな)い、帰りたい心、暗かに流水に随って天涯まで到け。


wàng hǎi cháo

1 méi yīng shū dàn,bīng sī róng xiè,dōng fēng àn huàn nián huá.
2 jīn gǔ jùn yóu,tóng tuó xiàng mò,xīn qíng xì lǚ píng shā.
3 cháng jì wù suí chē.
4 zhèng xù fān dié wǔ,fāng sī jiāo jiā.
5 liǔ xià táo xī,luàn fēn chūn sè dào rén jiā.

6 xī yuán yè yǐn míng jiā.
7 yǒu huá dēng ài yuè,fēi gài fáng huā.
8 lán yuàn wèi kōng,xíng rén jiàn lǎo,chóng lái shì shì kān jiè.
9 yān míng jiǔ qí xié.
10 dàn yǐ lóu jí mù,shí jiàn qī yā.
11 wú nài guī xīn,àn suí liú shuǐ dào tiān yá.

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