2022年8月15日月曜日

069臨江仙(蘇軾)

臨江仙  蘇軾

夜帰臨皋

1夜飲東坡醒復酔、帰来仿佛三更。
2家童鼻息已雷鳴、敲門都不応、倚杖聴江声。

3長恨此身非我有、何時忘却営営。
4夜闌風静縠紋平。
5小舟従此逝、江海寄余生。

夜になって臨皋に帰る

1夜に東坡で酒を飲んだ。醒めたらまた酔って、帰って来たのはおそらく三更のころ。
2家童(こどねりわらわ)は鼻息がすでに雷鳴の如く、門をたたいても誰も応じない、杖にもたれて川の音を聴く。

3長いあいだ恨みに思っていた、この身が自分のもののようではなくて、いつになったらこせこせした生き方を忘れられるのだろうかと。
4夜はふけて風は静かになり、水面の縠織(こめおり)のような紋様も平らになった。
5小舟でここから去って、遠くで余生を送りたいものだ。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0夜帰臨皋:『蘇詩総案』に、元豊五年(1082)九月「雪堂にて一夜飲み、酔いて臨皋に帰り『臨江仙』詞を作る」とある。元豊三年(1080)五月、蘇軾は定惠院から臨皋に転居し、五年春に東坡に雪堂を建て、臨皋で暮らした。臨皋は黄岡県南にあり、長江に臨む。 1東坡:臨皋付近の土地の名、黄州東門外にあり、蘇軾は数十畝の「躬ら其の中に耕すを得」て、白居易の忠州東坡に倣って名前をつけ、これを自分の別号とした。 3此身非我有:自由にならないこと。『荘子』「知北遊」に見える語。 営営:ごたごた乱れるさま。世俗の名利に奔走することを指す。 4縠紋:さざなみ。縠織(こめおり。織目がもみ米状で透き通ったもの)の文様で喩えた。

臨皋に帰る

 

1夜に東坡で飲み醒めて()た酔う、帰って来たのは仿佛(おそら)三更。

家童(こどねりわらわ)は鼻息(すで)に雷鳴、門を敲くが(だれ)不応(こたえな)い、杖に(もた)れて(かわ)(おと)を聴く。

 

3長く恨めしかった、()の身は我が(もの)では()く、何時(いつ)営営(せせこましさ)を忘却できるのか、と。

4夜は()けて風は静まり、縠紋(なみ)らに

5小舟で(ここ)から()()り、江海(とおく)で余生を(おく)りたい。


Lín jiāng xiān

yè guī lín gāo

1 yè yǐn dōng pō xǐng fù zuì,guī lái fang fú sān gēng.
2 jiā tóng bí xī yǐ léi míng,qiāo mén dōu bú yìng,yǐ zhàng tīng jiāng shēng.

3 cháng hèn cǐ shēn fēi wǒ yǒu,hé shí wàng què yíng yíng.
4 yè lán fēng jìng hú wén píng.
5 xiǎo zhōu cóng cǐ shì,jiāng hǎi jì yú sheng.

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