2022年8月13日土曜日

065永遇楽(蘇軾)

永遇楽  蘇軾

彭城夜宿燕子楼、夢盼盼、因作此詞。

1明月如霜、好風如水、清景無限。
2曲港跳魚、円荷瀉露、寂寞無人見。
3紞如三鼓、鏗然一葉、黯黯夢雲驚断。
4夜茫茫・重尋無処、覚来小園行遍。

5天涯倦客、山中帰路、望断故園心眼。
6燕子楼空、佳人何在。
7空鎖楼中燕。
8古今如夢、何曾夢覚、但有旧歓新怨。
9異時対・黄楼夜景、為余浩嘆。

彭城で夜に燕子楼に宿をとり、盼盼を夢で見たので、そこでこの詞を作った。

1明月は霜のように光を降らせ、すばらしい風は水のように柔らかく吹きすぎ、景色は限りなく清らか。
2淵では魚が飛び跳ね、まるい荷の葉が露を傾けているが、寂しく見る人もいない。
3タンタンと三更の時を告げる太鼓が鳴る、カーンと一枚、葉が落ちて、ひめやかな夢がやぶられる。
4夜の色はぼんやりして、ふたたび尋ねようにもゆくところがない、目覚めて小さな庭をあちこち行き尽くす。

5天涯にいる疲れた旅人、山中の帰路で、故郷を眺めたいと願う。
6燕子楼は空っぽ、あの人はどこに。
7燕だけが、むなしく楼中に閉じ込められている。
8昔も今も夢のよう、いったいいつ夢が覚めたことがあったろう、ただ古い歓びと新しい怨みが有るばかり。
9いつかまた誰かが黄楼の夜景に向かい、私のために深々と嘆くのであろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0彭城:今の江蘇省徐州。白居易「燕子楼詩序」に「徐州の故尚書(張建封)に愛妓有り、盼盼と曰う、歌舞を善くし、雅にして風態多し。……尚書既に殁し、東洛に帰葬す、而して彭城に張氏の旧第有り、第中に小楼有り、燕子と名づく。盼盼 旧愛を念い嫁がず、是の楼に居ること十余年」とある。 3紞如三鼓:三更の鼓の音がタンタンと聞こえる。「紞」は鼓を打つ音。「如」は助詞。 鏗:金石の音、ここは葉の落ちる音をいう。 9黄楼:蘇軾が守徐州だった時に建てられた。徐州に赴任したばかりの時、黄河が氾濫して、軍民を動員して洪水を防いだ。翌年の春、堤防を築き、この楼を建てて鎮(まも)った。楼は銅山県東門にある。

 

彭城で夜に燕子楼に宿し、盼盼を夢みた、(そこ)()の詞を作った。

 

1明月は霜の(よう)、好風は水の(よう)、清らかな(けしき)無限(かぎりな)い。

曲港(ふち)で魚が跳ね、円荷(はす)は露を(かたむ)け、寂寞(さび)しく見る人も無い。

紞如(タンタン)と三鼓、鏗然(カーン)と一葉、黯黯(ひっそり)夢雲(ゆめ)驚断(やぶられ)る。

4夜は茫茫(ぼんやり)して、(ふたた)(たずね)る処も無く、覚来(めざめ)小園(にわ)を行き(つく)す。

 

天涯(てんのはて)倦客(たびびと)、山中の帰路、故園(ふるさと)望断(ながめ)心眼(ねがい)

6燕子楼は(からっぽ)佳人(あのひと)何在(いずこ)

(むな)しく楼中(たかどの)(とざ)される燕。

8古今は夢の(よう)何曾(いつ)夢が覚めたか、()(ふる)(よろこ)びと新しい怨みが有る。

異時(いつか)、黄楼の夜景に(むか)い、(わたし)の為に(ふかぶか)と嘆くだろう。


yǒng yù lè

péng chéng yè sù yàn zǐ lóu,mèng pàn pàn,yīn zuò cǐ cí.

1 míng yuè rú shuāng,hǎo fēng rú shuǐ,qīng jǐng wú xiàn.
2 qǔ gǎng tiào yú,yuán hé xiè lù,jì mò wú rén jiàn.
3 dǎn rú sān gǔ,kēng rán yí yè,àn àn mèng yún jīng duàn.
4 yè máng máng、chóng xún wú chù,jué lái xiǎo yuán xíng biàn.

5 tiān yá juàn kè,shān zhōng guī lù,wàng duàn gù yuán xīn yǎn.
6 yàn zǐ lóu kōng,jiā rén hé zài.
7 kōng suǒ lóu zhōng yàn.
8 gǔ jīn rú mèng,hé céng mèng jué,dàn yǒu jiù huān xīn yuàn.
9 yì shí duì、huáng lóu yè jǐng,wèi yú hào tàn.

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