2022年8月10日水曜日

061留春令(晏幾道)

留春令  晏幾道

1画屏天畔、夢回依約、十洲雲水。
2手撚紅箋寄人書、写無限、傷春事。

3別浦高楼曾漫倚、対江南千里。
4楼下分流水声中、有当日・憑高涙。

1画屏風のように広がる空の際、夢から覚めてぼんやりと、神仙のすまう十洲のような雲と水の景色をながめる。
2手では便箋をもてあそぶ、あの人に寄せる手紙、春の悲しい出来事ばかり限りなく書いて。

3牛飼いと織り姫が別れ別れになっている浦、銀河が楼の上にかかっている、かつてむだに欄干にもたれて、江南の千里のかなたを見ていた。
4楼の下を分かれて流れる水音の中には、あの日、私が高いところで手すりにもたれて流した涙も、まざっていることだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1依約:ひそかに。ぼんやりと。はっきりしない。 十洲:神仙のいるところ。漢の東方朔「十洲記」に、十洲仙境が八方大海の中にあり、祖洲・瀛洲・玄洲・炎洲・長洲・元洲・流洲・生洲・鳳麟洲・聚窟洲という、とある。 3別浦:銀河のこと。牛飼いと織り姫が離ればなれになっている場所。

 

画屏(えびょうぶ)のような(そら)(きわ)、夢から()めて依約(ぼんやり)と、十洲の雲水(けしき)

2手は紅箋(びんせん)(もてあそ)ぶ、(あのひと)に寄せる(てがみ)無限(かぎりな)()く、傷春の事。

 

3別れの浦、高楼に(かつ)(みだり)(もた)れた、江南の千里に(むか)って。

4楼の下、分流する水(おと)の中、当日(あのひ)の高みに(もた)れる涙も有るだろう。


liú chūn lìng

1 huà píng tiān pàn,mèng huí yī yuē,shí zhōu yún shuǐ.
2 shǒu niǎn hóng jiān jì rén shū,xiě wú xiàn,shāng chūn shì.

3 bié pǔ gāo lóu céng màn yǐ,duì jiāng nán qiān lǐ.
4 lóu xià fēn liú shuǐ shēng zhōng,yǒu dāng rì、píng gāo lèi.

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