其一
1褰裳望洞庭、
2眼過天一角。
3初別未甚愁、
4別久今始覚。
5作箋非無筆、
6寒雁不肯落。
7蘆花待挐音、
8怪底北風悪。
千巖を待つ
其一
1「裳を褰げ」て洞庭を望ている、
2眼を天の一角に過って。
3別れた初のときは未甚愁ったが、
4別れて久くたった今、覚え始めた。
5箋を作る筆が無いわけでは非いが、
6(南へ帰る)寒の雁が落り不肯い。
7蘆の花のあいまに挐の音がするのを待っているが、
8北風が悪をしている怪底だなあ。
淳熙十三年(1186)秋、三十二歳の作。(夏承燾『姜白石繋年』) 0千巖:蕭徳藻の号。詩055「過湘陰寄千巖」に既出。 1褰裳:もすそをからげる。『詩経』鄭風に「褰裳」詩がり、乙女が「私を思うてくださるなら裳裾を褰(から)げて川をわたれ」と歌う。 7挐:舟をこぐ棹。 8怪底:~のせいで。
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