2021年10月10日日曜日

白石詩008待千巖(其一)

待千巖

其一

1褰裳望洞庭、
2眼過天一角。
3初別未甚愁、
4別久今始覚。
5作箋非無筆、
6寒雁不肯落。
7蘆花待挐音、
8怪底北風悪。

千巖を待つ

其一

1「(もすそ)(から)」て洞庭を(ながめ)ている、

2眼を天の一角(かたすみ)()って。

3別れた(ばかり)のときは未甚愁(さほぼさびしくなか)ったが、

4別れて(しばら)くたった今、覚え始めた。

(ふみ)(したため)る筆が無いわけでは()いが、

6(南へ帰る)(あき)の雁が()不肯(ようとしな)い。

7蘆の花のあいまに(さお)音がするのを待っているが、

8北風が(イジワル)をしている怪底(せい)だなあ。


淳熙十三年(1186)秋、三十二歳の作。(夏承燾『姜白石繋年』) 0千巖:蕭徳藻の号。詩055「過湘陰寄千巖」に既出。 1褰裳:もすそをからげる。『詩経』鄭風に「褰裳」詩がり、乙女が「私を思うてくださるなら裳裾を褰(から)げて川をわたれ」と歌う。 7挐:舟をこぐ棹。 8怪底:~のせいで。


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