2022年8月9日火曜日

048臨江仙(晏幾道)

臨江仙  晏幾道

1夢後楼台高鎖、酒醒簾幕低垂。
2去年春恨却来時。
3落花人独立、微雨燕双飛。

4記得小蘋初見、両重心字羅衣。
5琵琶弦上説相思。
6当時明月在、曾照彩雲帰。

1夢がさめた後、楼台は高く閉ざされ、酒は醒めて、簾や幕(カーテン)は低く垂らされる。
2去年、別れを恨んだ春が、おもいがけずまた来た、いま。
3落花に私はひとり独り立ちつくす、こまかな雨に、燕だけはつがいで飛んでいて。

4いまでも覚えている、小蘋と初めて会った時、心字香を二回焚いた羅衣を着ていた。
5琵琶の弦で、相思の情を語ってくれた。
6あのときの明月がいまも在る、かつて彩雲のような彼女が帰るとき照らしていた月が。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3「落花」二句:もとは五代の翁宏「春残」詩、そこから作った句。 4小蘋:歌姫の名、作者の友人の家妓。 「両重」句:香を二回焚いた羅衣(絹の服)。 心字:心字香のこと。(范成大『驂鸞録』中の解説による。襟を開ける衣服の形、衣の図案、という説もある) 彩雲:小蘋の比喩。李白「宮中行楽詞」に「只愁歌舞散、化作彩雲飛(只だ愁うのみ 歌舞散じて、化して彩雲と作りて飛ぶを)」とある。

1夢の後、楼台は高く鎖ざされ、酒が醒め簾幕は低く垂れる。

2去年の春の恨みが(おもいがけ)ず来る時。

3落花に(わたし)は独り立ち、微雨に燕は(ふたつなが)ら飛ぶ。

 

記得(おもいだ)す、小蘋(あのこ)と初めて()ったとき、両重(にかい)ほど心字(香)をたいた羅衣(うすぎぬ)

5琵琶の弦上で相思(おもい)説った

6当時の明月は在る、(かつ)彩雲(あのひと)が帰るのを照らした。


lín jiāng xiān

1 mèng hòu lóu tái gāo suǒ,jiǔ xǐng lián mù dī chuí.
2 qù nián chūn hèn què lái shí.
3 luò huā rén dú lì,wēi yǔ yàn shuāng fēi.

4 jì dé xiǎo píng chū jiàn,liǎng chóng xīn zì luó yī.
5 pí pá xián shàng shuō xiāng sī.
6 dāng shí míng yuè zài,céng zhào cǎi yún guī.

3 件のコメント:

  1. 野口小蘋の号はこの歌姫に因むのかしら。わくわく。

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  2. 「見(あ)った」と訳しましたが、ただ面会しただけじゃないですからねえ。粋ですね。

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