2022年8月5日金曜日

041玉蝴蝶(柳永)

玉蝴蝶  柳永

1望処雨收雲断、憑闌悄悄、目送秋光。
2晚景蕭疏、堪動宋玉悲涼。
3水風軽・蘋花漸老、月露冷・梧葉飄黄。
4遣情傷、故人何在。
5煙水茫茫。

6難忘。
7文期酒会、幾孤風月、屢変星霜。
8海闊山遙、未知何処是瀟湘。
9念双燕・難憑音信、指暮天・空識帰航。
10黯相望、断鴻声裏、立尽斜陽。

1雨がやみ雲が散り、ひっそりと欄干にもたれて、秋の景色に目をやる。
2夕暮れの風景はもの寂しく、宋玉の悲哀を味わうのに十分だ。
3水面に風が立ち、水草は枯れ、月は露をおびて冷たく、黄色くなった桐の葉が落ちる。
4何もかもが人をわびしくさせる季節、あの人はいずこに?
5水霧のたつ河がはるか流れる。

6忘れられない。
7詩文を交わした酒会から、幾多の風月に背き、幾多の星霜を重ねたのだろう。
8海は広く山は遙か、瀟湘の地はいずこか分からない。
9つがいの燕は手紙を届けてくれるだろうか、アテにならないと思う。暮れようとする空を指さして、無駄にあの人が帰る船を見つけようとする。
10ひっそりと眺めやる、群からはぐれた雁が哀れに鳴く声を聞きながら、夕陽を前に立ち尽くして。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1闌:「欄」に通じる。 4遣:「使」「教」に同じ。 7孤:「辜」に通じる。そむく。 星霜:星は一年に一周し、霜は毎年秋寒くなると降りるので、一年を「星霜」という。 8瀟湘:湖南の瀟水と湘水。広く、思う人のいる場所をいう。 9識:弁別すること。

1望(なが)める処(とき)、雨は收まり雲は断(ち)り、闌(てすり)に憑(もた)れて悄悄(しょんぼり)、目は秋の光(けしき)を送(みおく)る。

2晚の景(けしき)は蕭疏(さび)しい、宋玉の悲涼(かなしみ)を動かすに堪(じゅうぶん)だ。

3水(かわ)に風が軽(そよ)ぎ、蘋花(うきくさ)は漸(しだい)に老(か)れ、月の露は冷たく、梧の葉が黄(きば)んで飄(ただよ)う。

4情(こころ)を傷ませ(遣)る、故人(あのひと)は何在(いずこ)。

5煙(けぶ)る水(かわ)が茫茫と。

 

6難忘(わすれられな)い。

7文(さくひん)を期(かわ)した酒会(えん)から、幾(いく)たび風月に孤(そむ)き、屢(しばし)ば星霜(としつき)を変えただろう。

8海は闊(ひろ)く山は遙か、何処が是(いった)い瀟湘か未知(わからな)い。

9双燕(つばめ)は音信(てがみ)を憑(よ)せ難いと念(おも)う、暮(くれ)の天(そら)を指して、空しく帰航(かえるふね)を識(し)る。

10黯(ひそか)に相望(ながめや)る、断(はぐ)れた鴻(かり)の声の裏(なか)、斜陽に立ち尽して。


yù hú dié

1 wàng chù yǔ shōu yún duàn,píng lán qiāo qiāo,mù sòng qiū guāng.
2 wǎn jǐng xiāo shū,kān dòng sòng yù bēi liáng.
3 shuǐ fēng qīng、pín huā jiàn lǎo,yuè lù lěng、wú yè piāo huáng.
4 qiǎn qíng shāng,gù rén hé zài.
5 yān shuǐ máng máng.

6 nán wàng.
7 wén qī jiǔ huì,jǐ gū fēng yuè,lǚ biàn xīng shuāng.
8 hǎi kuò shān yáo,wèi zhī hé chù shì xiāo xiāng.
9 niàn shuāng yàn、nán píng yīn xìn,zhǐ mù tiān、kōng shí guī háng.
10 àn xiāng wàng,duàn hóng shēng lǐ,lì jìn xié yáng.

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