1自春来・惨緑愁紅、芳心是事可可。
2日上花梢、鶯穿柳帯、猶圧香衾臥。
3暖酥消、膩雲嚲、終日厭厭倦梳裹。
4無那。
5恨薄情一去、音書無個。
6早知恁麼、悔当初・不把雕鞍鎖。
7向雞窓、只与蛮箋象管、拘束教吟課。
8鎮相隨、莫抛躲、針線閑拈伴伊坐。
9和我。
10免使年少、光陰虚過。
1春になって、葉の緑も花の紅も私を悩ましくさせる、なにもかもどうでもよくなってしまった。
2日が花咲く梢の上にのぼり、鶯が柳の枝をぬって飛んで行くが、私はまだ布団をかぶって寝ている。
3皮膚はたるみ、髪は垂れ、終日うんざり、髪をすくのもあきあきして。
4どうしようもなく。
5うらめしい、薄情なあの人は行ったきり、音沙汰もなくて。
6こうと分かっていたなら、あの時、馬のくさりを解かなければよかった。
7書斎で、蜀の便箋と象牙の筆だけを与えて、あの人に詩詞を作らせることを日課にさせたものを。
8いつもあの人のそばで、一歩も離れず、針と糸を手にあの人のそばにずっと座っている。
9私とふたりだけ。
10それでようやく、私の若さも、無駄に過ぎ去りはしないのに。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1是事可可:なにごとも気にかけない、気持ちがない。 3暖酥消:皮膚がたるんでいる。「暖酥」は、女性の皮膚が温かい「酥」(乳製品)のようであること。 膩雲嚲:髪が垂れているさま。「膩雲」は女子の美しい髪のたとえ。「嚲」は垂れること。 4無那:如何ともできない。「那」と「奈」は同音。 6恁麼:このように。 7雞窓:晋の兗州刺史宋処宗が、窓辺の籠に鶏を飼っていて、しばらくすると人の言葉を話すようになり、終日談話しているうちに、宋処宗も弁舌巧みになった故事。『幽明録』に見える。のち、「鶏窓」は書斎の代名詞となった。 蛮箋:蜀の便箋。 象管:象牙を管とする筆。 教吟課:詩詞を吟詠させることを日課とする。 8鎮:つねに、ながく、永遠に。
1 zì chūnlái、cǎn lǜ chóu hóng,fāng xīn shì shì kě kě.
2 rì shàng huā shāo,yīng chuān liǔ dài,yóu yā xiāng qīn wò.
3 nuǎn sū xiāo,nì yún duǒ,zhōng rì yàn yàn juàn shū guǒ.
4 wú nà.
5 hèn bó qíng yí qù,yīn shū wú gè.
6 zǎo zhī nèn me,huǐ dāng chū、bù bǎ diāo ān suǒ.
7 xiàng jī chuān,zhǐ yǔ mán jiān xiàng guǎn,jū shù jiāo yín kè.
8 zhèn xiāng suí,mò pāo duǒ,zhēn xiàn xián niān bàn yī zuò.
9 hé wǒ.
10 miǎn shǐ nián shào,guāng yīn xū guò.
3暖酥消、膩雲嚲、終日厭厭倦梳裹。
4無那。
5恨薄情一去、音書無個。
6早知恁麼、悔当初・不把雕鞍鎖。
7向雞窓、只与蛮箋象管、拘束教吟課。
8鎮相隨、莫抛躲、針線閑拈伴伊坐。
9和我。
10免使年少、光陰虚過。
1春になって、葉の緑も花の紅も私を悩ましくさせる、なにもかもどうでもよくなってしまった。
2日が花咲く梢の上にのぼり、鶯が柳の枝をぬって飛んで行くが、私はまだ布団をかぶって寝ている。
3皮膚はたるみ、髪は垂れ、終日うんざり、髪をすくのもあきあきして。
4どうしようもなく。
5うらめしい、薄情なあの人は行ったきり、音沙汰もなくて。
6こうと分かっていたなら、あの時、馬のくさりを解かなければよかった。
7書斎で、蜀の便箋と象牙の筆だけを与えて、あの人に詩詞を作らせることを日課にさせたものを。
8いつもあの人のそばで、一歩も離れず、針と糸を手にあの人のそばにずっと座っている。
9私とふたりだけ。
10それでようやく、私の若さも、無駄に過ぎ去りはしないのに。
蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1是事可可:なにごとも気にかけない、気持ちがない。 3暖酥消:皮膚がたるんでいる。「暖酥」は、女性の皮膚が温かい「酥」(乳製品)のようであること。 膩雲嚲:髪が垂れているさま。「膩雲」は女子の美しい髪のたとえ。「嚲」は垂れること。 4無那:如何ともできない。「那」と「奈」は同音。 6恁麼:このように。 7雞窓:晋の兗州刺史宋処宗が、窓辺の籠に鶏を飼っていて、しばらくすると人の言葉を話すようになり、終日談話しているうちに、宋処宗も弁舌巧みになった故事。『幽明録』に見える。のち、「鶏窓」は書斎の代名詞となった。 蛮箋:蜀の便箋。 象管:象牙を管とする筆。 教吟課:詩詞を吟詠させることを日課とする。 8鎮:つねに、ながく、永遠に。
1春が来てから、惨愁しい緑と紅、芳心は是事てに可可に。
2日が花さく梢に上り、鶯が柳の帯を穿っても、猶お香衾を圧って臥ている。
3暖酥は消み、膩雲は嚲れ、終日厭厭、梳裹るのも倦して。
4無那く。
5恨めしい、薄情にも一去り、音書の個も無くて。
6早に恁麼だと知っていたら、当初、雕鞍を不鎖ければと悔む。
7雞窓で、只だ蛮箋と象管だけを与え、拘束て課吟らせたものを。
8鎮も相隨て、抛躲ること莫く、針と線を閑と拈って伊の伴に坐っている。
9我と。
10 年少を免使い、光陰が虚しく過ぎることなく。
dìng fēng bō
1 zì chūnlái、cǎn lǜ chóu hóng,fāng xīn shì shì kě kě.
2 rì shàng huā shāo,yīng chuān liǔ dài,yóu yā xiāng qīn wò.
3 nuǎn sū xiāo,nì yún duǒ,zhōng rì yàn yàn juàn shū guǒ.
4 wú nà.
5 hèn bó qíng yí qù,yīn shū wú gè.
6 zǎo zhī nèn me,huǐ dāng chū、bù bǎ diāo ān suǒ.
7 xiàng jī chuān,zhǐ yǔ mán jiān xiàng guǎn,jū shù jiāo yín kè.
8 zhèn xiāng suí,mò pāo duǒ,zhēn xiàn xián niān bàn yī zuò.
9 hé wǒ.
10 miǎn shǐ nián shào,guāng yīn xū guò.
二字の句はハミングのようだね。
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