2022年8月1日月曜日

033雨霖鈴(柳永)

雨霖鈴  柳永

1寒蟬淒切、対長亭晚、驟雨初歇。
2都門帳飲無緒、方留恋処・蘭舟催発。
3執手相看涙眼、竟無語凝噎。
4念去去・千里煙波、暮靄沈沈楚天闊。

5多情自古傷離別、更那堪・冷落清秋節。
6今宵酒醒何処。
7楊柳岸・暁風残月。
8此去経年。
9応是良辰好景虚設。
10便縦有・千種風情、更与何人説。

1さむざむと秋の蝉が鳴き、長亭の駅は暮れ、通り雨がやんだ。
2都の城門のそと、送別の宴、気持ちはふさぐ。立ち去りがたい私に、船頭が出発をうながす。
3手をとりあって見つめれば涙、言葉にならず、むせぶばかり。
4千里の波のかなた、夕もや漂う楚国の空の下へ向かう。

5情け深い人は、昔から別れがつらいもの、まして肌寒い秋であれば、なお。
6今宵、酒がさめるころ、私はどこにいるのだろう。
7柳が枝を揺らす岸辺、暁の風、残月。
8旅立てば一年。
9きっとこの美しい景色はむなしく存在するだろう。
10千万の風情があっても、誰と語り合えばいいのか分からないのに。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2都門帳飲:都の城門外で幕をはって送別の宴をすること。 無緒:気持ちがわかない。 蘭舟:蘭木で作った船、ひろく船のこと。 3凝噎:喉がつまる、むせぶ。 4暮靄:夕暮れの雲や霧。 楚天:かつて長江の中下流域が楚の国だったことから、空を楚天という。 10風情:味わい、情趣。

1寒蟬(あきのせみ)が淒切(わび)しい、長亭の晚に(対)、驟雨(とおりあめ)が初(ちょう)ど歇(や)んで。

2都門(じょうもん)での帳飲(わかれのえん)は無緒(あじけな)い、方(ちょう)ど留恋(みれんがま)しい処(とき)、蘭舟(ふね)は発(たびだち)を催(うなが)す。

3手を執(と)り相(たがい)に看(み)つめる、涙の眼、竟(けっきょく)は無語(ことばもな)く凝噎(むせ)ぶばかり。

4念(おも)う、去去(このさき)、千里の煙(けぶ)る波、暮靄(ゆうもや)が沈沈(ただよ)う、楚のくにの天(そら)は闊(ひろ)く。

 

5多情なひとは自古(むかしか)ら離別(わかれ)に傷(かな)しみやすい、更(まし)て那(どうし)て堪えられようか、冷落(つめた)い清秋(あき)の節(ころ)。

6今宵、酒が醒めるころ、何処(いずこ)に。

7楊柳(やなぎ)の岸、暁の風、残月。

8此(いま)去(たびだ)てば年を経て。

9応是(きっ)と良好(すばら)しい辰景(けしき)は虚しく設(あ)るだろう。

10便縦(たと)え千種(たくさん)の風情が有っても、更(さら)に何人(だれ)と(与)説(かた)ろうか。


yǔ lín líng

1 hán chán qī qiè,duì cháng tíng wǎn,zhòu yǔ chū xiē.
2 dū mén zhàng yǐn wú xù,fāng liú liàn chù、lán zhōu cuī fā.
3 zhí shǒu xiāng kàn lèi yǎn,jìng wú yǔ níng yē.
4 niàn qù qù、qiān lǐ yān bō,mù ǎi chén chén chǔ tiān kuò.

5 duō qíng zì gǔ shāng lí bié,gèng nǎ kān、lěng luò qīng qiū jié.
6 jīn xiāo jiǔ xǐng hé chù.
7 yang liǔ àn、xiǎo fēng cán yuè.
8 cǐ qù jīng nián.
9 yīng shì liáng chén hǎo jǐng xū shè.
10 biàn zòng yǒu、qiān zhǒng fēng qíng,gèng yǔ hé rén shuō.

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