2022年7月30日土曜日

021鳳簫吟(韓縝)

鳳簫吟  韓縝

1鎖離愁・連綿無際、来時陌上初燻。
2繡幃人念遠、暗垂珠露、泣送征輪。
3長行長在眼、更重重・遠水孤雲。
4但望極楼高、尽日目断王孫。

5消魂。
6池塘別後、曾行処・緑妒軽裙。
7恁時携素手、乱花飛絮裏、緩步香茵。
8朱顔空自改、向年年・芳意長新。
9遍緑野・嬉遊酔眼、莫負青春。

1ほどけぬ別れの愁いが、春の草のようにどこまでも続く。ちょうど道に草が萌える頃。
2閨房の奥で、あの人は遠く旅立つ私のために、ひそかに玉のような涙を流し、車の出立を見送る。
3車は進み、あの人は見つめる、遠く河と雲の重なる果てまで。
4そして高い楼にのぼり、一日中、王孫の帰りを待つのだろう。

5さびしい。
6池のほとりで再会するまで、あの人が独りで歩いたところでは、軽やかな裳に芳草も嫉妬することだろう。
7そのとき私は、あの人の白い手をとって、花びらや柳絮が乱れ散る中、香る草のしとねを歩こう。
8だが私の若々しかった顔は老いて、毎年、芳草だけが新しく生長していることだろう。
9だからいまは酔って、春の野を存分に愛で、短い青春に恥じるまい。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1鎖:結ばれてほどけない。 陌上初燻:「燻」は「薫」と同じ、香ること。江淹「別賦」に「閨中風暖、陌上草薫(閨中 風暖かく、陌上 草薫ず)」とある。 2征輪:遠くへ行く車。 4王孫:自分を指していう。『楚辞』「招隠士」に「王孫遊兮不帰、春草生兮萋萋(王孫 遊んで帰らず、春草 生じて萋萋たり)」とある。 6緑妒軽裙:軽やかな緑の羅の裳の美しさに、芳草も嫉妬するの意。 7恁時:そのとき。 香茵:芳草がしとねのように生えている。「茵」は布団、絨毯。 8「向年年」句:毎年春になると、芳草はいつも新たに生えてくること。「向」は、到る、臨む。

(ほどけな)(わか)れの愁い、連綿と無際(どこまで)も、来た時は(みち)(そば)に初めて(くさめぶ)いて。

繡幃(へや)(あのひと)は遠くを(おも)い、(ひそ)かに珠露(なみだ)を垂らし、泣きながら(たびゆ)(くるま)(みおく)った。

(どこまで)も行き(どこまで)在眼(みつめ)る、更に重重(いくえ)もの遠水(かわ)孤雲(くも)

4但だ望極(ながめや)楼高(たかどの)にて、尽日(ひがな)王孫(あのひと)目断(のぞ)む。

 

消魂(さび)しい。

池塘(いけ)で別れた後、(かつ)(ある)いた(とき)(くさ)が軽やかな(スカート)(ねた)んで

恁時(あのとき)(しろ)い手を()り、()る花と飛ぶ(やなぎのわた)(なか)(ゆっくり)香茵(くさのしとね)を步いた。

朱顔(わかわかしいかお)も空しく自ら改まり、くる年もくる年も、芳意(くさ)だけが(いつ)も新しくなるのを向かえる。

9緑の野を(めぐ)る、嬉んで遊ぼう、酔った眼で、青春に莫負(はじな)いように。


fèng xiāo yín

1 suǒ lí chóu、lián mián wú jì,lái shí mò shàng chū xūn.
2 xiù wéi rén niàn yuǎn,àn chuí zhū lù,qì sòng zhēng lún.
3 cháng xíng cháng zài yǎn,gèng chóng chóng、yuǎn shuǐ gū yún.
4 dàn wàng jí lóu gāo、jìn rì mù duàn wáng sūn.

5 xiāo hún.
6 chí táng bié hòu,céng xíng chù、lǜ dù qīng qún.
7 nèn shí xié sù shǒu、luàn huā fēi xù lǐ,huǎn bù xiāng yīn.
8 zhū yán kōng zì gǎi,xiàng nián nián、fāng yì cháng xīn.
9 biàn lǜ yě、xī yóu zuì yǎn,mò fù qīng chūn.

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