2022年7月30日土曜日

020蝶恋花(晏殊)

蝶恋花  晏殊

1六曲欄杆偎碧樹、楊柳風軽、展尽黄金縷。
2誰把鈿箏移玉柱、穿簾海燕双飛去。

3満眼遊糸兼落絮、紅杏開時、一霎清明雨。
4濃睡覚来鶯乱語、驚残好夢無尋処。

1曲がりくねる欄干、緑樹の近く、柳は風にそよぎ、若黄色の枝を広げる。
2飾りたてた箏を弾いているのは誰だろう。簾を、燕がふたつながらに飛んでいく。

3どこもかしこも、糸のような細い枝と風に飛ぶ柳のわた。紅く杏の花が咲き、さっと清明の雨が降る。
4ぐっすり眠ってしまった。鶯がそこかしこで鳴いている。よい夢を見ていたのに、どこに探しにいけばいいだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1偎:ぴったりはりつく、くっつく。 黄金縷:若く柔らかい柳の枝。 2鈿箏:金銀や螺鈿を象嵌した箏。 移玉柱:箏を弾くこと。 海燕:燕。春に南方から海を渡ってくることから。海岸の壁に巣を作る燕に似た鳥は、生物学的には別のもの。 3一霎:みじかい時間。

1六曲(まがりくね)る欄杆が碧(みどり)の樹に偎(そ)い、楊柳(やなぎ)が風に軽(ゆ)れ、黄金の縷(えだ)を展尽(のば)す。

2誰が鈿箏(こと)を(把)移玉柱(ひい)ているのだろう、簾を穿つ海燕(つばめ)は双(ふた)つながら飛んで去(ゆ)く。

 

3満眼(みるものすべて)、遊糸(ゆれるいと)と兼(そし)て落絮(とぶわた)と、紅(あか)い杏が開(さ)く時、一霎(いっとき)の清明の雨。

4濃(ぐっすり)と睡(ねむ)って覚来(めざめ)ると鶯が乱れ語(な)いている、好(よ)い夢が驚残(やぶ)られた、尋(さが)しにゆく処(あて)が無い。


dié liàn huā

1 liù qū lán gān wēi bì shù,yáng liǔ fēng qīng,zhǎn jìn huáng jīn lǚ.
2 shéi bǎ diàn zhēng yí yù zhù,chuān lián hǎi yàn shuāng fēi qù.

3 mǎn yǎn yóu mì jiān luò xù,hóng xìng kāi shí,yí shà qīng míng yǔ.
4 nóng shuì jué lái yīng luàn yǔ,jīng cán hǎo mèng wú xún chù.

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