2022年7月30日土曜日

019踏莎行(晏殊)

踏莎行  晏殊

1小径紅稀、芳郊緑遍、高台樹色陰陰見。
2春風不解禁楊花、濛濛乱撲行人面。

3翠葉蔵鶯、朱簾隔燕、炉香静逐遊糸転。
4一場愁夢酒醒時、斜陽却照深深院。

1小路に花は散って少なく、野原に青く草茂り、高殿が樹々のあいまに見える。
2春風は柳のわたが飛ぶのを禁じることも理解せず、旅人のほおを白く乱れ打つ。

3緑の葉陰にかくれて鶯が鳴き、朱の簾のむこうで燕が巣を作り、炉で香が静かに燃えて、小さな虫の吐く糸を揺らしている。
4酔って愁いの中でいっときの夢を見た。酒がさめ夢から醒めた時、庭の奥深く夕陽が照らしていた。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
1紅稀:花が少ないこと。 緑遍:草が多いこと。 陰陰見:ひそかに現れること。 3遊糸:春に小さな虫が吐き、空中にただよう細い糸。

1小径(こみち)に紅(はな)は稀(まれ)となり、芳郊(の)に緑(くさ)が遍(ひろが)り、高台(うてな)が樹色(きぎ)の陰陰(あいま)に見える。

2春風は楊花(やなぎのわた)を禁ずることを不解(しらな)い、濛濛(はたはた)と行人(たびびと)の面(かお)を乱れ撲(う)つ。

 

3翠(みどり)の葉に鶯が蔵(かく)れ、朱(あか)い簾が燕を隔てて、炉の香(こう)が静かに遊糸(むしのいと)を逐(お)って転(ゆ)れる。

4一場(つかのま)の愁いの夢、酒が醒めた時、斜陽(ゆうひ)が却(おもいがけ)ず深深(おくふか)く院(にわ)を照していた。


tà suō xíng

1 xiǎo jìng hóng xī,fāng jiāo lǜ biàn,gāo tái shù sè yīn yīn xiàn.
2 chūn fēng bù jiě jìn yang huā,méng méng luàn pū xíng rén miàn.

3 cuì yè cáng yīng,zhū lián gé yàn,lú xiāng jìng zhú yóu sī zhuàn.
4 yì chǎng chóu mèng jiǔ xǐng shí,xié yáng què zhào shēn shēn yuan.

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