2022年7月29日金曜日

009天仙子(張先)

天仙子  張先

時為嘉禾小倅、以病眠、不赴府会

1水調数声持酒聴。
2午酔醒来愁未醒。
3送春春去幾時回、臨晚鏡。
4傷流景。
5往事後期空記省。

6沙上并禽池上暝。
7雲破月来花弄影。
8重重簾幕密遮灯、風不定。
9人初静。
10明日落紅応満径。

当時、嘉禾の副官で、病気のため役所の集まりに行かなかった。

1「水調」の曲を、酒を飲みながら聴いていた。
2午睡から醒めたが、愁いはまだ醒めない。
3春を見送る。春はいつ戻ってくるのか分からない。夕暮れに鏡をのぞく。
4過ぎ去った歳月に、胸がいたむ。
5過去のこと、約束した未来のこと、はっきり覚えているのがむなしい。

6岸辺につがいの鳥、池に夜の色がたれこめる。
7雲のすきまから月がのぞき、花が影を揺らす。
8幾重もの簾ととばりで、灯の光が遮られる。風はやまない。
9人の声が静かになった。
10明日は小路にいっぱい、赤い花が散り落ちていることだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
0嘉禾小倅:「嘉禾」は秀州の別名。治所(地方の行政所在地)は今の浙江省嘉興。「倅」は副職。「嘉禾小倅」は秀州通判のこと。仁宗の慶暦元年(一○四一)、五十二歳のころ。 1水調:唐の大曲の名。大曲(楽曲の一種。組曲)には「歌頭」があり、これを別のメロディにして詞調としたことから「水調歌頭」という。『楽苑』に「旧説、水調・河伝、隋煬帝幸江都時所制。曲成奏之、声韻悲切(水調・河伝は、隋の煬帝が江都に幸行した時に作ったもので、演奏すると悲しい音調だった、という)」とある。 4流景:年月が過ぎること。過去の歳月。 5後期:後に会う約束。 記省:はっきり覚えていること。 6并禽:つがいの鳥。 暝:日暮れ。

あの時、嘉禾の小倅(ふくかん)()っていて、病眠(びょうき)()(やくしょ)(あつまり)不赴(いかな)かった。

 

1「水調」の数声(うたごえ)(さかずき)を持ちながら聴いていた。

午酔(ひるざけのよい)醒来(さめ)たが愁いは()だ醒めない。

3春を送る、春は去ったら幾時(いつ)(もど)ってくるのだろう、(くれ)鏡を(のぞ)く。

流景(すぎたひび)(かな)しい。

(かこ)の事、(みらい)(やくそく)(むな)しく記省(おぼえ)ていて。

 

沙上(きし)并禽(つがいのとり)池上(いけ)(くら)くなる。

7雲の(すきま)から月のひかりが()して、花は影を(もてあそ)ぶ。

重重(いくえ)もの簾や(カーテン)(ぴったり)と灯を遮り、風は不定(やまな)い。

9人のこえが初静()んだ。

10明日は()った(はな)で、(きっ)満径(こみちいっぱい)だろう。


tiān xiān zǐ

shí wèi jiā hé xiǎo cuì,yǐ bìng mián,bú fù fǔ huì

1 shuǐ diào shù shēng chí jiǔ tīng.
2 wǔ zuì xǐng lái chóu wèi xǐng.
3 sòng chūn chūn qù jǐ shí huí,lín wǎn jìng.
4 shāng liú jǐng.
5 wǎng shì hòu qī kòng jì xǐng.

6 shā shàng bìng qín chí shàng míng.
7 yún pò yuè lái huā nòng yǐng.
8 chóng chóng lián mù mì zhē dēng,fēng bú ding.
9 rén chū jìng.
10 míng rì luò hóng yīng mǎn jìng.

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