2022年7月28日木曜日

008一叢花(張先)

一叢花  張先

1傷高懐遠幾時窮、無物似情濃。
2離愁正引千糸乱、更東陌・飛絮蒙蒙。
3嘶騎漸遥、征塵不断、何処認郎踪。

4双鴛池沼水溶溶、南北小橈通。
5梯横画閣黄昏後、又還是・斜月簾櫳。
6沉恨細思、不如桃杏、猶解嫁東風。

1楼に登り、遠く眺めやる、いつ果てるともなく。愛情より濃い物はない。
2別れの愁いは千々に乱れる柳の枝のよう。大通りにはワタもはらはら飛んでいる。
3馬の嘶きがどんどん遠くなる。土埃をあげながら、あの人はどこへ行ったやら。

4鴛鴦が池に浮かんでいる。水は南北に通じ、小舟が行き交う。
5梯子をはずした楼閣に黄昏の色。また月は斜めに、簾の上にかかる。
6まこと恨めしい。桃や杏でさえ、春風に嫁いでいけるものを。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2千糸:柳の枝のこと。 3嘶騎:いななく馬。 4小橈:ちいさな櫂。小舟をいう。 5梯横:運べる梯子がすでに外されたこと。 6解:知る、分かる。 嫁東風:春風(東風)にのって飛んでいくこと。「嫁ぐ」は比喩。李賀「南園十三首」之一に「可憐日暮嫣香落、嫁与春風不用媒(憐れむべし 日暮れて嫣香落ち、春風に嫁いで媒を用いず)」とある。

1高きところにて傷み、遠くを懐かしむ、幾時(いつ)窮まるだろう、情け()りも濃い物は無い。

(わか)れの愁いは(ちょう)ど千々に乱れる糸を引くよう、(さら)に東の(みち)に、飛ぶ(やなぎのわた)蒙蒙(はらはら)と。

3嘶きながら(うま)(しだい)(とお)くなる、(たび)の塵は不断(たえな)い、何処で(あのひと)(ゆくえ)を認められるやら。

 

双鴛(おしどり)池沼(いけ)、水は溶溶(たゆた)い、南北に小さな(ふね)が通う。

(かけはし)を横えた画閣(たかどの)、黄昏の後、又還是()た、斜めに月が簾に(かか)

沉恨(うらめ)しく細思(おも)う、桃や杏が()お東風に嫁いで(いけ)るのにも、不如(およばな)い。


yì cóng huā

1 shāng gāo huái yuǎn jǐ shí qióng,wú wù sì qíng nóng.
2 lí chóu zhèng yǐn qiān sī luàn,gèng dōng mò、fēi xù méng méng.
3 sī jì jiàn yáo,zhēng chén bú duàn,hé chù rèn láng zōng.

4 shuāng yuān chí zhǎo shuǐ róng róng,nán běi xiǎo ráo tōng.
5 tī héng huà gé huáng hūn hòu,yòu hái shì、xié yuè lián lóng.
6 chén hèn xì sī,bù rú táo xìng,yóu jiě jià dōng fēng.

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