2022年12月15日木曜日

白石詩032悼石湖三首①

悼石湖三首

其一

1身退詩仍健、
2官高病已侵。
3江山平日眼、
4花鳥暮年心。
5九転終無助、
6三高竟欲尋。
7尚留巾墊角、
8胡虜有知音。

 

石湖を悼む三首

 

其一

 

1身は退いたが詩は()(さか)ん、

2官は高いが病に已に侵された。

3江山に平日の(まなざし)

4花鳥に(ばん)(ねん)の心。

九転(くすり)(つい)(きき)め無く、

6三高を(つい)に尋ねよう()としている。

(なお)(ずきん)の角を(たら)さま(のこ)っているのは、

8胡虜にも知音が()るからだ。


紹熙四年(1193)、三十九歳の作。 0悼石湖:范成大はこの年九月に歿した。 5九転:九回煉った丹薬。もっとも貴とする。晋・葛洪『抱朴子』「金丹」に「九転之丹服之、三日得仙」という。 6三高:三人の高士。越の范蠡、晋の張翰、唐の陸亀蒙の三人。いずれも呉の人で、宋代に三人を三高として、呉江に三高祠を作った。范成大に「三高祠記」がある。 7巾墊角:頭巾の角をたらすスタイル。『後漢書』「郭太伝」に、郭太、字は林宗が出かけた先で雨に遭い、頭巾の角を垂らしていたら、人々が「林宗巾」と呼んで真似をした、という。  8胡虜有知音:范成大が金に使いした時、范成大の名声を慕う金人にかぶっていた頭巾を求められた。『宋史』「范成大伝」に見える。

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