2022年10月10日月曜日

266解連環(張炎)

解連環  張炎

孤雁

1楚江空晚。
2悵離群万里、恍然驚散。
3自顧影・欲下寒塘、正沙浄草枯、水平天遠。
4写不成書、只寄得・相思一点。
5料因循誤了、残氈擁雪、故人心眼。

6誰憐旅愁荏苒、漫長門夜悄、錦箏弾怨。
7想伴侶・猶宿蘆花、也曾念春前、去程応転。
8暮雨相呼、怕驀地・玉関重見。
9未羞他・双燕帰来、画簾半巻。

群れからはぐれた雁

1楚江の空が暮れる。
2悲しい、群れから万里も離れて、ふっとはぐれたことに驚いて。
3独りで影を振り返り、寒々しい岸に下りようとすると、ちょうど砂は清く草は枯れ、水は平らか、天は遠く。
4手紙を書けない、ただ一点の思いを寄せるだけ。
5きっと間違えたせいだろう、毛のむしろと雪で餓えをしのいだ、昔の蘇武の気持ちを。

6誰が憐れむだろう、旅に愁う月日、みだりに長門宮で夜にひっそりと、箏で怨みを弾くような。
7想う、仲間はまだ蘆の花の中で宿をとっているだろう、仲間もやはりかつて思ってくれたろう、はぐれた自分も春の前に、きっと南へと去った路を一緒に戻るだろう、と。
8暮れの雨の中、雁たちが呼び交わす声が聞こえる、とつぜん、玉関で再び会えるかも知れない。
9そうなったら恥ずかしくない、つがいの燕が帰ってきて、簾が半ば巻き上げられていても。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
3欲下寒塘:唐・崔塗「孤雁」詩に「暮雨相呼疾、寒塘欲下遅(暮雨 相い呼ぶこと疾く、寒塘 下らんと欲して遅し)」とある。 5残氈擁雪:蘇武が雁の足に手紙を結んだ故事。 6荏苒:時が少しずつ去って行くこと。 7去程応転:雁は渡り鳥で、秋に南へ飛んできて、春に北に帰るので、「春前去程応転」という。 8暮雨相呼:「3欲下寒塘」の注、参照。

(はぐれ)た雁

 

1楚江の空が(くれ)

(かな)しい、群から万里も離れて、恍然(ふっ)(はぐ)れたことに驚いて。

(ひと)りで影を顧て、寒々しい(きし)に下りよう()とする、(ちょう)(すな)(きよ)く草は枯れ、水は平らか、天は遠く。

(てがみ)写不成(かけな)い、()だ一点の相思(おもい)寄得(よせられ)るだけ。

(きっ)誤了(まちがえ)因循(せい)だろう、(けむしろ)と雪で残擁(うえをしの)いだ、故人の心眼(きもち)を。

 

6誰が憐れむだろう、旅に愁う荏苒(つきひ)(みだり)に長門で夜に(ひっそり)と、錦箏(こと)で怨みを弾くような。

7想う、伴侶(なかま)()だ蘆の花で宿をとり、(やは)り曾て(おも)っているだろう、春の前に、(きっ)と去った(みち)(もど)るだろう、と。

8暮れの雨に相呼(よびかわ)す、驀地(とつぜん)、玉関で(ふたた)()える(かもしれな)い。

(そうなった)未羞(はずかしくな)い、(つがい)の燕が帰来(かえってき)て、画簾(すだれ)が半ば巻かれていても。


jiě lián huán

gū yàn

1 chǔ jiāng kōng wǎn.
2 chàng lí qún wàn lǐ,huǎng rán jīng sǎn.
3 zì gù yǐng、yù xià hán táng,zhèng shā jìng cǎo kū,shuǐ píng tiān yuǎn.
4 xiě bù chéng shū,zhǐ jì dé、xiāng sī yì diǎn.
5 liào yīn xún wù liǎo,cán zhān yōng xuě,gù rén xīn yǎn.

6 shuí lián lǚ chóu rěn rǎn,màn cháng mén yè qiǎo,jǐn zhēng dàn yuàn.
7 xiǎng bàn lǚ、yóu sù lú huā,yě céng niàn chūn qián,qù chéng yìng zhuàn.
8 mù yǔ xiāng hū,pà mò dì、yù guān zhòng jiàn.
9 wèi xiū tā、shuāng yàn guī lái,huà lián bàn juǎn.

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