2022年10月9日日曜日

257玉京秋(周密)

玉京秋  周密

長安独客、又見西風、素月丹楓、凄然其為秋也。因調夾鐘羽一解。

1煙水闊。
2高林弄残照、晚蜩淒切。
3画角吹寒、碧砧度韻、銀床飄葉。
4衣湿桐陰露冷、采涼花・時賦秋雪。
5嘆軽別、一襟幽事、砌虫能説。

6客思吟商還怯。
7怨歌長・瓊壺暗缺。
8翠扇恩疏、紅衣香褪、翻成消歇。
9玉骨西風、恨最恨・閑却新涼時節。
10楚簫咽、誰倚西楼淡月。

都で独り旅人として、また秋風を見れば、白い月と赤い楓、ひっそりとしたそのさまは秋だ。そこで夾鐘羽の一曲を作った。

1けぶる川が広がる。
2林は残照を弄び、秋の終わりの蟬が寂しく鳴いている。
3角笛が冷たく吹かれ、砧をうつ音が聞こえ、井桁に葉が舞う。
4衣が湿る桐の陰、露は冷たい、葦の花を採って、ふとこの雪のような白い花を歌う。
5軽々しく別れてしまったことを嘆く、胸いっぱいの秘め事、きざはしの虫だけが、私に代わってこの思いを語ることができるだろう。

6旅人の思いを商の調べで歌えば、また怯える。
7怨みの歌を長々と歌って、玉の壺がそっと欠けた。
8扇も有難みが薄れ、ハスも香りが褪せて、すべて枯れたようになった。
9あの人に秋風が吹き、恨みの中でもとりわけ恨めしいのは、新たな涼しい時節を呆然とやりすごすこと。
10楚の簫のむせぶような音、誰が西楼でもたれて、淡い月をながめているのだろう。

蔡義江『宋詞三百首全解』注:
2蜩:蟬。 3画角吹寒:原本にはこの句は無い。唐圭璋『詞学論叢』「読詞三記」に、『詞緯』に引く周密『蘋洲漁笛譜』のこの詞を根拠に、『欽定詞譜』巻二十四では「晚蜩淒切」の下に「画角吹寒」の一句四字あり、という。いま補う。 銀床:白い石の井桁。 4秋雪:蘆の花をいう。 7瓊壺暗缺:晋の王敦が酒を飲んで、魏の武帝の楽府「老驥伏櫪」を詠じながら、唾壺を適当に叩いて節をとっていたところ、壺の口が欠けてボロボロになった故事。『世説新語』に見える。 8翠扇恩疏:班婕妤「怨歌行」で団扇を自分になぞらえている。史達祖212「玉蝴蝶」の「恨随団扇」の注、参照。 紅衣:ハスの花。 10倚:原本は「寄」だが、『詞綜』巻十九、知不足斎叢書本『蘋洲漁笛譜』に従い、改めた。

長安(みやこ)(ひと)(たびびと)として、()西風(あきかぜ)を見れば、(しろ)い月と(あか)い楓、凄然(ひっそり)(そのさま)は秋である(為也)(そこ)で夾鐘羽の一(きょく)調(つく)った。

 

(けぶ)(かわ)(ひろ)がる。

高林(はやし)は残照を弄び、(あきのおわり)(せみ)淒切(さび)しい。

画角(つのぶえ)(つめ)たく吹かれ、碧砧(きぬた)(おと)(きこ)え、銀床(いげた)に葉が()う。

4衣が湿る桐の陰、露は冷たい、涼花(あしのはな)()って、()秋雪(しろいはな)(うた)う。

5軽々しく別れたことを嘆く、一襟(むねいっぱい)幽事(ひめごと)(きざはし)の虫だけが(かた)ることが(でき)

 

(たびびと)の思いを商で(うた)えば()た怯える。

7怨みの歌は長く、(たま)の壺が(そっ)()けた。

翠扇(おうぎ)(ありがたみ)(うす)れ、紅衣(はす)も香が褪せて、消歇(かれ)たようすに翻成()った。

玉骨(あのひと)西風(あきかぜ)、恨みで最も恨めしいのは、新たな涼しい時節を閑却(ぼうぜん)とすること。

10楚の簫が(むせ)ぶ、誰が西楼の淡い月に倚るのか。


yù jīng qiū

cháng ān dú kè,yòu jiàn xī fēng,sù yuè dān fēng,qī rán qí wèi qiū yě.
yīn diào jiá zhōng yǔ yì jiě.

1 yān shuǐ kuò.
2 gāo lín nòng cán zhào,wǎn tiáo qī qiè.
3 huà jiǎo chuī hán,bì zhēn dù yùn,yín chuáng piāo yè.
4 yī shī tóng yīn lù lěng,cǎi liáng huā、shí fù qiū xuě.
5 tàn qīng bié,yì jīn yōu shì,qì chóng néng shuō.

6 kè sī yín shāng hái qiè.
7 yuàn gē cháng、qióng hú àn quē.
8 cuì shàn ēn shū,hóng yī xiāng tùn,fān chéng xiāo xiē.
9 yù gǔ xī fēng,hèn zuì hèn、xián què xīn liáng shí jié.
10 chǔ xiāo yè,shuí yǐ xī lóu dàn yuè.

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